2008年7月 5日 (土)

自衛隊の海外派遣 天木直人

何のために自衛隊を海外に派遣するのか

  福田首相は6月30日に、訪日した国連のパンギムン事務総長に、スーダンの国連平和維持活動(PKO)の司令部に自衛官を派遣すると表明した。

  7月1日の各紙は、政府が発表した広報資料そのままに、この事実関係を淡々と報じていた。

  その中で一人朝日新聞だけが、「戦略なき派遣」、「『貢献先』探しに必死」という批判的な記事を載せていた。

  その報じるところは要旨次のごとくである。

  すなわち、決定に至るまで政権内部の議論は迷走が続いた。
  スーダン派遣が浮上したのは、福田首相が1月の施政方針演説で、「平和協力国家」を打ち出した後だという。つまり最初に国際貢献ありきであった。平和協力国家という福田政権のアピールがあったのだ。
  外務省がスーダンを選んだ理由はいずれも後付の理由であり、国際貢献が真に必要なところへの派遣ではなかった。
  すなわち、必要な国にはすでに主要国の軍隊が派遣されている。イラクやアフガニスタンへの派遣は新たな法律が必要になる。アフリカ開発会議の開催国としてアフリカの平和構築に協力する姿勢をアピールできる、などなど、あくまでも外務官僚が鉛筆をなめてでっち上げた理由だ。
  しかし派遣させられる防衛省は、「サミットを控えた外務省の都合だけで危険地域に部隊を派遣するわけにはいかない」と最後まで抵抗したという。
  落としどころが、スーダンの首都ハルツームの司令部への要員派遣だけだった。
  しかし、それとても、国連側から提示された用務がデータ管理と補給物資管理のポストだけだった事から、「こんな(地位の低い)ポストなら出すに値しない」と石破防衛相が難色を示したという。
  最終的には官房長官、外相、防衛相の3閣僚会合で石破防衛相が譲歩し、国連事務総長との福田首相の会談直前の6月26日に決まったという。
  しかも、その後でさえ、司令部要員の主要な任務は、自国の部隊と参加各国との連絡調整にあたるだけであるので、「国際的にどれほど評価されるのか」(防衛省幹部)と冷めた見方が強いという。
  更にその朝日の記事は、ある国連筋の話として、
 「PKOは常に人手不足。一人でも増えればありがたいというだけで、自衛隊の派遣を特段重要視しているわけではない」などという言葉をのせている。

  文字通り「派遣先探しに必死」な「戦略なき派遣」である。

  しかし、この朝日の記事さえも正面から書かない本当のジレンマがある。

  国際貢献を本来業務にしたのはいいが、国際貢献という名前ので米国の戦争につきあわされて自衛隊に犠牲者を出すような事は、絶対避けたいというのが政府や防衛省の本音である。

  ましてや自衛隊の生命をあずかる防衛省としては、外務省の対米従属外交や国際貢献をアピールする宣伝外交に付き合わされて、戦地に自衛隊を派遣する事は、決して認められないのだ。

  スーダンの事情に詳しいNPOの若者が見事に言い当てていた。

 「ハルツームは我々が夜間で歩いても平気な安全な場所だ。そんなところには何も自衛隊を派遣する必要はない。本当に必要な場所は今でも紛争が続いているダルフールなのに・・・」

  自衛隊の海外派遣は、これからも間違いなく迷走し続けることになる。

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2008年7月 3日 (木)

地上デジタルの強行 天木直人

地上デジタル化強行の背景にある官僚と財界の蜜月

  限られた知識と能力でも、できるだけ多くの事柄について真実を追究していきたい。

  そう思って毎日努力して書いているのだが、テーマはいつも同じようになる。

  日米軍事同盟のごまかしや官僚支配の弊害、最近ではもっぱら北朝鮮問題だ。

  そんな中で、今日の新聞で新しい発見をした。今日のブログのテーマはこれで決まりだ。

  東京新聞「こちら特報部」に「地デジ化強行の裏で」という特集記事があった。

  「不評著しい後期高齢者医療制度と同様、これから実施される裁判員制度とテレビの地上デジタル化も『構造改革』を掲げた小泉政権の置き土産だ・・・」という書き出しで始まるこの特集記事は、ズバリ、地上デジタル化強行の背景に、官僚の天下りと財界利権の蜜月があることを言い当てている。

  後期高齢者医療制度については皆が問題にしているからもはや私が説明する必要はない。

  裁判官制度についても、それがいかに不要で不純なものであるか、このブログでも書いた。

  裁判員制度もまた、来年5月の実施が近づくにつれて国民的大問題となってくるだろう。

  ところがテレビのデジタル化移行についてはほとんど議論が無い。

  しかし、その移行の背景には、驚くべき官民癒着の反国民的な意図があったのだ。

  なぜこれ、ほどまでに毎日のようにテレビで女子アナやタレントを使って宣伝している理由が頷けた。国民のマインドコントロールである。

  技術の進歩によりテレビがアナグロからデジタル化になるのは結構だ。しかし、不景気の最中に、なぜ国民に経済的負担を強いる移行を、国民の選択の余地なしに強行するのか。アナグロテレビが十分に機能するのに、強制的にそれを廃棄させるのか。もったいなくはないか。環境保護にも逆行するのではないか。

  くわしくは東京新聞を読んでもらいたいが、一言で言えば、IT戦略を国家戦略と定めた2002年度以降、政府は莫大な予算を講じ、それが関連業界の産業振興と官僚の天下り乱造(少なく見積もっても地デジ関連の天下り法人は100以上あるという)の資金源となっているというのだ。

  この問題についての著作を近く出版するという、元特定郵便局長の異色作家、世川行介氏は、こう言う。

 「ぼくらの生きてきた戦後には自由の理念があった。ところが、(後期高齢者医療制度や裁判員制度と同様に)地デジには選択の自由が無い。これでは統制国家だ・・・アナグロ波停止は国際的な趨勢とはいえ、不況による受信機器の普及の遅れから、米国や韓国ではアナグロ放送終了を延期している・・・アナグロ終了は使用中のテレビの寿命が尽きるまでといった穏やかな形に変えるべきだ。官僚と財界の都合で、豊かでない庶民の娯楽が奪われてはならない」

  極めつけは、これが「聖域なき構造改革」を叫んだ小泉政権の置き土産であるという点だ。

  そういえばITが何かも分からない元首相が、ITを「それ」と言ったという話もあった。

  官僚の悪知恵に操られたこの国の政治のもたらすものは、国民生活を苦しめるものばかりである。

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2008年7月 2日 (水)

アメリカの真意など 天木直人

米国の真意をアレコレ詮索してもはじまらない

 なぜ米国はテロ指定解除を急いだのか、北朝鮮の核保有に譲歩したのか。

 このことについての報道が氾濫している。そしてそれはこれからもメディアで様々な形で繰り返されるに違いない。

 わけがわからない、という率直な意見から始まって、やれ「歴史に残る大統領になりたかった」、やれ「北朝鮮を中国から分断する作戦だ」、「やれ、中東のテロに核がわたらなければ米国はそれでいいのだ」、「東アジアにあらたな安保体制を作ろうとしているのだ」、など、など、挙句の果てに、「北朝鮮にはそもそも有効な核兵器など存在しない事を米国は知ってしまった」などという意見まで乱れ飛んでいる。

 しかし、そんなことを詮索したところでほとんど意味はない。

 米国は無責任な国だ。身勝手な国だ。それどころか、米国自身が何もわかっていないかもしれない。

  米国と言う国は論理が通用しない国なのだ。権力者が全てを決める国なのだ。取り巻き連中はその権力者にすべて従う国なのだ。

 それがイラク戦争であり北朝鮮外交なのだ。

 あらゆる反対を押し切って、イラン攻撃までも行うかもしれない、そういう国なのである。

  私がデトロイトの総領事であった頃、ゴルフ雑誌に興味深い記事を見つけたことがあった。

 その記事は、世界のゴルフファンにアンケートをとった結果を比較していた記事だ。

 質問の中に、「あなたは上司が不正をしたところを見てしまった時(たとえばスコアを過少申告したり、ボールを動かしたり)、上司に注意をしますか」、という質問があった。

 「イエス」と答える比率はどこの国の国民が高かったか。

 総じて開発途上国の国民のほうが高かった。日本はその中間ぐらいだった。

 私がもっとも驚いたのは、最も低かったのが米国であったという事だ。

 その答えが、「そんなことをして首をきられたら損だ。そんな馬鹿な事を誰がする」というものだった。

   民主主義国家のチャンピオンである米国はまた、もっとも個人的つながりを重視するコネ社会だ。

   気に入れば重用する。気にらなければ首にする。権力者に付き添って出世したければ不正にも目をつぶる。不正の命令にも従う。それがいやなら裏切ってたもとを分かつ。そして告発する。

   ヒル次官補は前者の典型なのではないか。野心に動かされた凡庸な米国外交官なのではないか。

  そんな米国に振り回されてきたのが日本なのだ。

  米国の真意をアレコレ詮索するよりも、自主・自立の日本を取り戻すことが先決なのだ。

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2008年6月29日 (日)

アピール№92 7人委員会

アピール No.92J
北海道洞爺湖サミット参加国首脳への要望
2008年6月27日
世界平和アピール七人委員会
委員 武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
   井上ひさし 池田香代子 小沼通二 池内了

    世界平和アピール七人委員会は、北海道洞爺湖畔に集まるG8首脳各
位に対し、先進工業国の責任を自覚し、問題の根幹を捉えた的確な決定をくだ
されることを切に望みます。
     いま世界は、拡大するグローバル市場経済のもと、原油などの価格高
騰や食糧不足が現実化し、国家間でも各国内でも経済的社会的格差が広がり、
社会不安や軍事紛争の危機を招いています。
    世界の不安を取り除くには、民主的で公正な国際関係と市民社会の積
極的な関与が必須であり、そこでの先進工業国の責務は重大です。今回の協議
において、地球環境の保護、国際金融の規制ルール、国際的な人権の擁護、核
兵器の禁止などについて、積極的な決定をされることを期待し、次のように要
望します。

1) 環境対策は弱者の視点から

    私たちは、今回の協議が地球温暖化に対処しようとしていることを高
く評価します。環境においても強者であるG8には、地球上のすべての弱者の
視点に立って対策を講じる責務があります。
    しかし、CO2削減などの技術的な施策に力点が置かれ、環境問題の
根底にグローバル経済の影響があることへの認識があまり感じられないことに
対して、違和感をいだかざるをえません。
    たとえば日本はホスト国として、地球温暖化問題と食糧問題との不可
分の関係を主要議題にしようとしています。それは評価しますが、提案の中心
は、高収量の品種の開発・普及や農業技術の移転などです。もっぱら技術面を
強調することで、原油や穀物価格の高騰を招いている投機マネーや、貧困層の
食糧を奪うことになるバイオ燃料の問題から目をそらすことがあってはなりま
せん。
    環境保全と開発の両立をうたい、開発途上国の協力を得ようとしてい
ることは理解します。しかし報道によると、準備会議では、途上国への技術開
発援助などが突出して議論されたようです。すでに温暖化の被害を受けてい
る、そして今後ももっとも受けやすいのは、開発途上国の貧困層や、先住民な
ど伝統的な生活を送っている人々、中でも女性や子どもです。脆弱な社会経済
状況を克服しようとしている人々や、その支援にあたっている国際的な市民運
動が進めている、被害を未然に防ぐことができる国際的な仕組みつくりを支援
するために、サミットにおいて真剣に議論されることを希望します。
    CO2排出権取引については、環境保全に一定の効果はあるものと認
めますが、国際投機マネーの流入が金融開発途上国への種々の阻害要因になり
かねない危険に留意し、この制度が本来の目的を果たすべく配慮されるよう要
請します。

2) 「反テロ」に名を借りた戦争や人権の抑圧に反対する

    私たちは、今回の協議において、テロをはじめ国際組織犯罪の防止策
が協議されることにとくに注目しています。「反テロ」戦争が、問題の文化社
会的・政治経済的な根本原因の除去よりも、処罰と排除、監視と抑圧といった
対症療法的な軍事的・警察的対策を重視していることに強い危惧を覚えます。
    いまや監視体制は街角から宇宙までひろがり、テロ容疑者の尋問のた
めの秘密収容所や、グローバル格差が生み出す難民・「非合法」移住労働者な
どの収容所が、南北格差の境界線に乱立して、新たな「鉄格子のカーテン」を
つくりだしている観があります。先進工業国の利害を優先するあまり、開発途
上国の貧困層の不安と絶望を増大させるこうした対策は、先進工業国内の格差
拡大とともに社会不安を助長し、テロと犯罪の温床となっている可能性すら見
受けられます。
    今回の協議では、「反テロ」戦争という発想を脱し、世界のすべての
人々が平和に生存できる世界を構築する責任を確認されるよう強く希望します。

3) 核兵器保有国は削減義務の履行を

    私たちは、核兵器保有国が未だに核兵器使用を否定していないことを
大いに危惧しています。いかなる理由であれ、もし核兵器が使用されれば、人
類史上最大の環境破壊になることに疑いの余地はありません。その意味で、今
回、核兵器の拡散防止が協議されることを全面的に支持します。
    しかし、核の平和利用と軍事利用の境界があいまいになっている今
日、核兵器を保有したり、自国内への配備を容認したり、核の傘に依存するな
どの安全保障政策を保持する国がある限り、核兵器不拡散を徹底させることは
不可能です。
    サミットの全参加国が、核軍備の縮小など核兵器不拡散条約第6条
(注1)に明記された約束をあらためて想起し、各国がただちに明確な具体的
計画を策定し、速やかに実施に移すことを要望します。その意味からも、最近
京都でオーストラリアのケビン・ラッド首相が発表した核不拡散・軍縮国際委
員会の設立提案(注2)をサミット参加国が積極的に支持し、協力されるよう
要望します。

注1 核兵器不拡散条約 第六条(条文)
     各締結国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的
な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全
な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。
注2 ラッド首相の提案
     オーストラリアノケビン・ラッド首相は、来日第2日の2008年6月9日
に、広島から移動した京都で、核不拡散・軍縮国際委員会の設立を提案した。
この委員会は、キャンベラ委員会、東京フォーラムの成果を再吟味し、残され
た問題を確認し、2010年のNPT再検討会議を視野に入れて将来の行動計画を
発展させることを目標としている。
     キャンベラ委員会(正確には「核兵器廃絶についてのキャンベラ委員
会」)は、核兵器のない世界への現実的提案を作るため1995年11月にオース
トラリア政府が設立した国際的な独立の委員会で、1996年8月に詳細な報告書
を発表した。東京フォーラム(「核不拡散・核軍縮に関する東京フォーラ
ム」)は、1998年に日本政府の呼びかけで発足し、1999年に17項目の提言を含
む報告書をまとめた。

連絡先:
小沼通二(委員・事務局長)
247-0014 横浜市栄区公田町200-9
ファクス:045-891-8386
メール: mkonuma254@m4.dion.ne.jp

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2008年6月28日 (土)

世界平和アピール7人委員会 

先進工業国の責任の自覚を  
     世界平和アピール七人委員会がG8各国首脳らにアピール 
    
  世界平和アピール七人委員会は、来月北海道洞爺湖畔で開かれる「先進国首
脳会議」(G8サミット)に向けた「北海道洞爺湖サミット参加国首脳への要
望」をまとめ、各国大使館、代表部を通じて首脳に送るとともに、27日午後
6時から、武者小路公秀、井上ひさし、小沼通二の3委員が記者会見し、ア
ピールを発表、記者の質問に答えました。

 アピールでは、G8首脳に、グローバル経済の拡大のもとで、「価格高騰や
食糧不足が現実化し、国家間でも各国内でも経済的社会的傘が広がり、社会不
安や軍事紛争の危機を招いて」いると指摘。「先進工業国の責任を自覚し、問
題の根幹を捉えた的確な決定を」と訴え、「地球環境の保護、国際金融の規制
ルール、国際的な人権の擁護、核兵器の禁止などについて積極的な決定」につ
いて期待を表明するとともに、①環境対策は弱者の視点から②「反テロ」に名を
借りた戦争や人権の抑圧に反対する③核兵器保有国は削減義務の履行を-の3
点をポイントに要望しています。

 記者会見で、武者小路委員は「前書きにあるとおり、世界はいま、大変な危
機にある。私たちは、先進国だけが集まることについて、それがけしからんと
は言わないが、それならそれで、先進国の責任を自覚してほしいと思う。たと
えば環境対策でも、CO2の削減や高収量の品種改良など技術的なことや環境
ビジネスなどに目が向き、投機マネーの規制やバイオ燃料問題などグローバル
経済の影響に目が向いていないことに違和感を感じる。あくまで地球上のすべ
ての弱者の立場から対策を講じてほしい」と説明。小沼委員は「北朝鮮問題な
ど、核の拡散ばかりが問題にされているが、核保有国の削減義務については一
向に進展していない。京都でオーストラリアのラッド首相が京都で発表した核
不拡散・軍縮国際委員会の設立提案を積極的に支持し、協力してほしい」と話
しました。

 また井上委員は「いま、南半球には非核地帯条約ができて、核は使えないこ
とになっているが、北半球ではこれが広がらないし、世界にはまだ2万
9000発の核がある。環境問題でも、世界の大洋にはビニールやポリエチレ
ンなど分解されないゴミがたまる地域がいくつもできている。私たちが言いた
いのは、自分たちのしなければならないことを、もっとまじめにやってほしい
ということだ。G8はいまの世界の状況を創った先進国の責任を自覚して、反
省する会にしてほしい。メディアはそういう意味でも私たちの意見を広く伝え
てほしい」と述べました。

 世界平和アピール七人委員会は、1955年11月、湯川秀樹、下中弥三
郎、平塚らいてう、植村環氏らによって設立され、これまでに内外に向けて、
91本のアピールを発表してきました。今回のアピールは92本目。サミット
に向けてのアピールとしては初めてです。現在の委員は、武者小路公秀、土山
秀夫、大石芳野、井上ひさし、池田香代子、小沼通二、池内了の各氏です。

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2008年6月26日 (木)

鹿のはなし JANJAN 小倉文三

「奈良の鹿」にも地球温暖化の足音? (小倉文三)
http://www.news.janjan.jp/area/0806/0806230321/1.php

高知県でも鹿の害が話題になっています。保護か駆除かという、二者択一の問題でもないと思います。自然の生態系の変化と人間の営みの接点を、どのように捉えていくのか、多面的に考えていく必要があるのではないかと思います。

増え続けるニホンジカについて、小倉文三記者が過去の取材とも重ね合わせて、ひとつの見解を述べています。ご覧ください。

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2008年6月25日 (水)

言葉と言葉 天木直人

見逃せない言葉、納得する言葉

  「・・・わが国でもようやく平成13年に発足した小泉内閣から、改革に取り組んだ。しかし国民の期待があまりに性急だったうえ、5年余という短期だったため、日本はいまだに改革の方向を定着せしめるべく模索している・・・」

  これは19日の産経新聞一面の「塩爺のよく聞いてください」という論評の中の一節である。

  福田派の塩川正十郎が、小泉、安倍、福田とつづく自民党政権の広告塔であるとしても、この言葉はないだろう。

  悪政に黙って耐えてきた、我慢づよい国民のどこが性急なのか。

  5年半も首相を楽しんだ小泉政権のどこが短期なのか。

  国民をなめきった見逃せない暴言だ。

  「・・・スウェーデンにみられる『(生活)標準を保障する国家』。所得税も消費税も社会保障負担率も大きいが、『税を払っていれば生きていける社会』・・・日本はどうか。どういう社会をつくろうとしているのかが無い『無責任国家』。スウェーデン政府は『強い福祉を打ち出すために財政再建をする』という。日本は福祉を切り捨てて財政再建しようとする・・・しかし(そもそも)財政は人々の生活を守るためにあるのではないか・・・」

  これは21日の毎日新聞「医療クライシス」⑤に出ていた神野直彦東大教授(財政学)の言葉である。

  納得する言葉だ。

  消費税引き上げ議論の際に、政府や財務官僚から決まって出てくるせりふがある。

  日本の税率は、あるいは国民の負担率は、欧米諸国のそれにくらべてまだまだ低い、

  というやつである。

  だまされてはいけない。税負担とは、おさめる税金の額とその見返りに還元される政府のサービスの総合で考えなくてはならない。

  税金の見返りに国が何をしてくれたのか。

  スウェーデンのように、税金を払えば、誰でも生きていける社会になっていれば、これほど国民は苦しむことは無いはずだ。

  税金が政府の財布がわりにとられているから怒るのだ。浪費、横領されているから増税はびた一文払いたくないと思うのだ。

  

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2008年6月22日 (日)

片岡晴彦さんその後 JANJAN 小倉文三

高知「白バイ事件」のその後   小倉文三
停止していたスクールバスに、白バイが高速で突き当たってきた事故で、運転手の片岡さんに対し、あるはずもないブレーキ痕まで作り上げ、どうあっても有罪としたがっているこの冤罪事件は、まだ最高裁の判断が出ていません。
刑事訴訟に先立って、民事訴訟で仁淀町が和解して、1億円支払うというのも、よくわからない話です。片岡さんは、事故の事実を明確にしたいとの意向で、和解には応じず、仁淀町とは分離して裁判を進めていましたが、遺族は1億円の和解が成立した時点で、片岡さんには請求しないとして、訴えを取り下げました。新聞を見ると、これ以上やっても片岡さんからは取れないと判断したようです。
民事訴訟についての経過や記者会見の模様を、小倉文三記者がJANJANに載せています。

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2008年6月20日 (金)

インフレの怖さ 天木直人

我々はインフレの怖さを甘く見ていないか

 発売中のニューズウィーク日本版(6・25日号)の「世界経済を脅かす次の時限爆弾」という特集記事は、インフレがもたらす危機的状況に、大声で警鐘を鳴らしている記事だ。

 もしこの記事に書かれている一部でもいいから、日本の大手メディアが本気で報じるならば、国民も驚き、日本の政治が今なすべき最も重要な事こそ、インフレ対策に手を打つ事だと気づくに違いない。

 もし額賀福志郎財務大臣や太田弘子経済財政政策担当大臣が、経済の事を分かっているのなら、そしてその事を正しく福田首相に伝えているのなら、福田首相も消費税増税はやむを得ない、などという発言を行わなかったに違いない。

 そして来るべきサミットでは、二酸化ガス排出量削減目標などよりも、世界的インフレの早急な抑制策を最優先すべきであることに気づくに違いない。

 残念ながら、この国の政治家も経済学者もメディアも、そしてもちろん福田総理も、インフレの怖さを甘く見ているようだ。

 というよりも、経済がまるで分かっていないのではないか。

 ニューズウィークのその特集記事を要約して書くと以下のごときだ。

 「世界的インフレは始まったばかりだ。

 そしてそのインフレがすさまじい勢いで進むのはこれからだ。

 ある推計では今年の夏には世界人口の7割が2桁台のインフレの影響を受けることになる。

 しかも成長率低下(不況)におけるインフレという最悪の状況だ。

 インフレで真っ先に打撃を受けるのは、貧しい国々であり、低所得者層だ。

 食料品が買えなくなり、交通費や薬代、医療費が払えなくなる。

 企業はコスト高を転嫁するだけでは対応しきれず、企業収益を悪化させることになる。

 各国政府のインフレ策が、貿易抑制、物価統制、緊縮予算、に走るならば、社会不安が起きる国が続出することになる。

 金利引き上げによって株式市場が暴落すれば、金融資産を持っている個人さえもが深刻な被害を受けることになる。

 もしインフレに適切な策が講じられなければ、行き着く先は貨幣価値がなくなるハイパーインフレだ。

 最悪のシナリオだ」

  この予測はあまりにも悲観的だ、と反論する者がいるかもしれない。

  しかし、その反論者も、どうやったらインフレ進行を防げるかの答えはない。

  「そこまでひどいことにはならないだろう」という、論拠なき楽観論に過ぎない。

  その一方で、世界の支配者が、ひそかに自分達だけの生き残りを画策しているとすればどうだろう。

  政治家や官僚、財界人といった日本の指導者達が、その事に気づかずに、ただ無策に甘んじているとすればあまりにも情けない。

  知っていながら、支配者達の仲間入りをして国民を切り捨てているのであれば、許せない裏切りだ。

  真実はそのいずれかである。

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2008年6月18日 (水)

宿毛市 米軍離着陸訓練施設

米軍機の離着陸訓練施設の誘致 宿毛市

6月17日の高知新聞は、米軍の空母艦載機の離着陸訓練施設の誘致について、宿毛市の中西清二市長が、市議会の一般質問で「市民から強い要請があれば、一定の調査、研究することも一考」と述べたことを伝えている。
米軍は、岩国基地から180キロ以内に、タッチ・アンド・ゴーの恒久的訓練施設を作ることを要請している。

施設を誘致すれば、空港建設の可能性が広がり、多大な恩恵を期待できる、との西郷典生氏の質問に、市長は、空港ができることによる経済効果は高いとの指摘がある、騒音問題など確認すべき課題もあると答え、これを見る限り誘致への可能性に期待感を滲ませているようだ。

厚木の騒音訴訟を見るまでも無く、そのひどさは論外!施設と空港建設がどこで結びつくのか、よく分からない。西南空港建設の願いは、米軍とは全く別の問題であると考える。

地域経済を、軍事施設に頼って活性化させたいという発想に驚く。軍隊の訓練は殺人と破壊だけを目的としたものであり、これほど非人間的で非生産的なものはない。しかし、軍備をめぐって、いとも簡単に億単位の金が動いていくのも現実である。打ち出の小槌のように、国民の税金を使うことができるのだ。

宿毛の市民は、金さえ落ちれば、その中味を問わないというのであろうか。いや、美しい自然とその恵みを、金と引き換えに米軍の施設などで汚したくないと思う人々は、たくさんいるだろう。「市民の要請」などという言葉で、ひとくくりにしてはいけないはずである。宿毛市民の民意はどこにあるのか、それを深く掘り下げていくことこそ、行政の役割ではないか。
同じ高知県民のひとりとして、高知県のどこにも米軍の施設など置いてほしくはない。高知で訓練した艦載機が、爆弾を積んで人を殺すために世界各地へ飛び立っていくなど、想像しただけでもおぞましく耐え難い。

mm記

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2008年6月15日 (日)

井原勝介氏の言葉

民主主義と地方自治のために」

米軍再編をめぐって岩国は大きく揺れています。
17年秋、厚木の空母艦載機部隊の岩国基地への移駐案が突然提起され、我々の苦悩が始まりました。岩国基地の航空機数が現在の2倍の120機、人員が4,000人増の約1万人になるという大規模なもの。過大な負担を強いるもので、今回だけは我慢できないというのが率直な想いでした。
しかし、岩国の「民意」は顧みられないままに、約束されていた庁舎補助金の突然のカットや米軍再編交付金の創設など、まさにアメとムチの手法により、市民は分断され、国という大きな力の前に小さな地方都市は押しつぶされそうになっています。岩国の戦いはまだまだ続きます。私はもちろん、その先頭に立つ覚悟です。
[井原勝介]

日 時 7月5日(土)午後2時
場 所 共済会館(高知市役所西側)
参加費 1000円(高校生以下無料)
主 催 サロン金曜日

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2008年6月10日 (火)

アフガン調査団とは 天木直人

何のためのアフガン調査団か

  アフガニスタンへの陸上自衛隊派遣の可能性をさぐるため、外務・防衛両省などの合同調査団が、8日に日本を出発したという。

  10日の各紙はこの事実を小さく載せていただけであった。

  しかし、この調査団の派遣は税金の無駄遣いだ。

  政府のアフガン調査団派遣については、すでに6日の東京新聞と朝日新聞が、調査団派遣の適否について、それぞれ問題提起の記事を書いていた。

  すなわち、東京新聞は、実現の可能性もないのにサミットを意識して官邸(町村官房長官)が前のめりになっている、と書き、

  朝日新聞は、「法律もないのに調査団を出してどうするのか。拙速だ。安全な地域はNATOが離さない。危険な地域を押しつけられてはたまらない」という防衛省幹部の声をのせていた。

  自衛隊の海外派遣をめぐる論議は、国際貢献という錦の御旗を掲げてそれを積極的に進めようとする政府やそれを支持する保守・改憲論者と、憲法9条に反し認められない、とする平和・護憲論者の、安全保障政策をめぐるイデオロギー的な対立テーマであると思われがちだ。

  しかし実際は違う。もっと次元が低い問題であるのだ。

  米国の「テロとの戦い」に協力して以来、わが国を守るはずの自衛隊が、日本と関係のない外国領土で重装備をして活動する事が当然視されるようになった。

  その背景には、一方において、対米追従しか念頭にない政府、外務官僚の政治先行の思惑があり、他方において、防衛省格上げで張り切る防衛官僚の権限拡張の野心がある。

  ところが、両者ともに共通しているのは、自衛隊員が犠牲になる事だけは避けたい、という至上命題である。

  それはそうであろう。日本の領土や国民を守るために敵と戦うべきはずの自衛隊が、本来の専守防衛から大きく外れ、米国の戦争に巻き込まれて犠牲になる事は、いかに対米追従、組織拡大が重要だと言っても、受け入れる訳にはいかない。

  自衛隊員を犬死させる責任をとる政治家や官僚はいないのだ。

  自衛隊の海外活動を主たる任務に格上げしてみても、あるいは自衛隊派遣恒久法づくりを急いでみても、最後は安全な派遣場所探しに奔走する事になるのだ。

  ここにわが国の自衛隊海外派遣の最大の矛盾と滑稽さがある。

  今のアフガニスタンはイラク以上に危険地域だ。

  なにしろ、アフガニスタンで長年支援活動を続けてきたNGO「ペシャワール会」の中村哲医師が、陸上自衛隊が派遣されたら「日本人が攻撃対象になるのは確実で、会員の安全確保が難しくなる」と言って撤退宣言をしたのだ(8日各紙)。

  結論は見えている。陸上自衛隊をアフガニスタンへ派遣する事はありえない。

  その結論を出すためのアリバイづくりの調査団派遣は明らかな税金の無駄遣いだ。

  何よりも、アフガニスタンには大使以下外交官が常駐して情報を把握しているはずではないか。彼らを働かさないなら、もっと税金の無駄遣いになる。

  

  

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2008年6月 8日 (日)

米国とイラクの安保協定 天木直人

米国とイラクの安保協定締結の動きを注視せよ

  日本ではほとんど報道されていないが、米国のイラク攻撃とその後のイラク占領は、真珠湾攻撃のやらせから始まった日米開戦と、その後の米国の対日占領をモデルにしているのである。

  この事は識者の間ではもはや常識である。

  たとえば、03年3月20日に始まったバクダッド総攻撃は、おびただしい砲弾の嵐だった。

  その作戦が「恐怖と衝撃」作戦と名づけられたのは、日本に落とした原爆が、日本人の戦闘意欲を奪うほど強烈、衝撃的であった為に、日本はすぐに降伏し、占領に対する一切の抵抗をなくして従順になった、という米国の思い込みから由来する。

  まさかイラクに原爆は使えない。そのかわりに同じような衝撃を与えてイラクの戦意を喪失させようとしたのだ。

  だから米国は、その後反米感情を高め、ゲリラ戦で抵抗するイラクをみて、「こんなはずではなかった」、とうろたえたのだ。

  さらにまた、ブッシュ大統領が小泉元首相を持ち上げるとき、馬鹿の一つ覚えのように繰り返すせりふがある。

  「かつて敵対した両国の指導者が、今ではこのように良好な関係になれる。だからイラクもやがて民主化されて米国の同盟国となれる」、などというせりふである。

  歴史観もなければ政治家としての卓見もない愚かな小泉元首相は、繰り返しブッシュ大統領の口から発せられるこの言葉の侮蔑的な意味をまるで分かっていないに違いない。

  しかし、この言葉ほど日本を見下した言葉はない。

  米国は、憎き日本がかくまで従順に降伏したことが嬉しくて仕方がないのだろう。

  米国の数ある戦史の中で、おそらく日本を打ち破り占領したことは最大級の成功例と記録にとどめたに違いない。米国軍人の頭にそれがたたき込まれ、それをその後のあらゆる戦争に活用しようとしてきたに違いない。

  だからこそあのブッシュ大統領の頭にもそれがあるのだ。それが口についてでてくるのだ。

  その、単純で露骨な米国の軍事占領政策の正体が、見事に表れたのが、イラクとの間で強引に結ぼうとしている米・イラク安全保障協定である。

 6日の日経新聞に米国がイラク政府との間で7月末までに安保協定を締結する方針であるという記事があった。

 その記事はまた、イラク政権内部でさえも、米軍の駐留が長引き、主権が侵害されるとして反対の声が上がっていると報じていた。

 さらにまた5日附の英国インデペンド紙は、ブッシュ政権がイラクに展開する50の軍事基地とイラクの制空権を米国の管理下に置き、米軍兵士や民間傭兵の免責特権を確保する米軍地位協定を、イラクに飲ませようとしている、と報道した。

 話はそれるが、その交渉にあたっているのがサタフィールド米国務省顧問であるという。

 懐かしい名前だ。私がレバノンの大使をしていた時の米国の大使であった人物だ。イスラエルの手先のような男であった。レバノンの国民から嫌われていた男であった。

 話を元にもどす。

 賢明な読者は私の言いたいことがおわかりであろう。
 
 そうである。米国はイラク占領を、成功した日本占領を手本として進めようとしているのだ。

 そのことは逆に言えば、戦後62年間続いてきた米国の対日政策が、米国のイラク占領の先例であったということだ。

 つまり日米安保体制と言い、日米安保条約と言うものの正体は、米国が日本を守るなどと言うものでなく、米国の対アジア政策の基地として日本を永久占領することでしかなかったということだ。

 あたかも占領後のイラクを、米国に敵対するアラブ諸国に軍事的圧力をかける永久拠点にしようとしているように。

 しかしイラクと日本の違いは一つある。

 どんなに主権を侵害されても、「日米同盟は永久不滅です」と言い続ける愚かな日本。

 圧倒的な米国軍事力を前にして、そしてその米国の軍事力なくしては自らを守れないマリキ政権が、主権侵害を認めるわけにはいかないと、米国との安全保障協定締結に反対する、誇りを忘れないイラク。

 この違いである。

 我々は米国とイラクの安保協定締結をめぐる動きを注視し、おのれのふがいなさに思いをはせるべきである。

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2008年6月 6日 (金)

米国から帰国して 天木直人

日米関係にとって都合の悪い事は徹底的に書かない日本のメディア

  少しばかり米国に滞在し、米国のメディアを見てきた私は、この国の戻ってきてつくづく実感した。日本のメディアは、日米関係に都合の悪いことは意図的に報道しないのだ、と。

  かねてから感じてきたのであるが、この思いはもはや確信になった。

  たとえば米国で発売されたスコット・マッケラン元ブッシュ大統領報道官の暴露本である「何が起こったか(WHAT HAPPENED)についてである。

  これは米国で今大きな話題になっている。ブッシュ政権のイラク攻撃開始のウソを糾弾した最大級の暴露本であり、元報道官によるブッシュやチェイニーへの最大の裏切りであるからだ。

  マッカランはブッシュ政権の連中に「人間のする仕業ではない」などと最大限の罵声を浴びせかけられながらも、テレビに出てインタビューに応じ、「このまま国民をだまし続ける事は許されない」と答えていた。

  それは、そのまま日本でも問われる問題だ。

  あの時ブッシュ大統領を正しいと言い放った小泉元首相の、国民を欺いた責任を今こそ問わなくていいのか。

  その小泉元首相を誉めそやし、5年半の政権を支え続けた日本のメディアの責任を、今こそ問わなくていいのか。

  そう国民に気づかれてはまずい。だから米国でのこのような動きを、敢て日本で流さないのだ。握りつぶすのだ。

  マッカランのブッシュ批判の一つに、イラク戦争に反対したガボン大使への報復として、その妻がCIAの秘密諜報員であったことを報道関係者にリークした事件がある。

  その機密漏洩者が、ブッシュ大統領の懐刀であった元選挙参謀のカール・ローブ補佐官だったと、マッカランは指摘している。

  それが判明した時点でブッシュ大統領はローブを解雇すべきだったとマッカランは主張している。

  これに対し、ローブは、漏らしたのは自分ではない、アーミテージだ、と反論している。

  この事をなぜ日本のメディアは報じないのか。

  それは、アーミテージが、日本のすべての対米追従者が誉めそやし、従ってきた、数少ない人物であるからだ。米国との人的パイプの象徴のような人物であるからだ。

  そのアーミテージが卑劣な機密漏洩者であるとなれば、日本の対米追従者たちは立場を失うことになるのだ。なにしろ米国では政府高官による機密漏洩は重大な犯罪であるからだ。

  もう一つ。昨日のブログでも書いたが、ブッシュ大統領はパール・ハーバーをナショナルモニュメントにして残そうと国防総省に指令したというニュースが、米国の複数紙で取り上げられていた。

  パール・ハーバーを、「自由の女神」や「カスター将軍の戦場」のような栄誉ある国碑にしようというのだ。カスター将軍とはインディアンと果敢に闘った英雄とされている人物だ。インディアンにとっては民族浄化の大虐殺者だ。

  奇襲攻撃をした卑劣な日本を忘れないために、その場所を「カスター戦場」と並んで、国家遺産にして残そうというのだ。

  この事を日本のメディアは報じたか。

  メディアはこの事を詳しく報じて、ブッシュ大統領の稚拙な反日言動を日本国民に知らせなくてはならない。

  なにしろ、そんな男を誉めそやし、日本を米国に差し出したのが小泉元首相であるからだ。

  ブッシュ大統領を今でも尊敬しているのか。彼の退任式には出席するのか、などと、日本のメディアは今こそ小泉元首相に問いただすべきなのである。

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2008年6月 4日 (水)

キューバ紀行 その14

キューバ紀行⑭

【 ジョンレノン公園 】     下司孝之

今日はキュ―バ観光の話です。

行きたかったけれど、医療施設の訪問日程がびっしり詰まっていて行けなかったところがハバナ市内にあるジョンレノン公園。

http://www.atenajapan.com/news/n071227_01.html

ジョンは『あのころ一番かっこよかったのはゲバラだ』と語っている。キューバはビートルズを退廃音楽とはみなしていないわけだ。

それから、日本式公園。世界各地にあるがキューバにもあるのだという、だが植生の全然違うハバナではどんな風にまとめ上げたのだろう、見てみたいものだ。

忙しくて観光はまったくできなかったかと言うとそうでもない、昼食や夕食時には楽団が押しかけてくるし、会議場の庭園がそのままナイトクラブという場面もあった。

椰子の木に下から照明を当てると野趣があり、これは高知の中心市街地街路でも真似をするべきかなと思った。

こずえを吹き渡る風が葉を揺らして、わずかな電源で効果的な演出をしているからだ。

行きたかったところは他にも沢山ある、ラテンアメリカ野球場もそのひとつ。数万人のフアンで沸くという。それにキューバ映画も盛んだと言うから街の映画館も覗いてみたい。

キューバの人口は日本の十分の一、日本での外国人観光客は2005年で673万人というから、キューバを2004年には年間200万人を越える観光客が訪れているというのは、結構多いといわなければならないね。

日本でもアジアからの比重が増えて70%、アメリカの経済封鎖下のキューバでも多くはラテン諸国からだと言う。

アメリカの裏庭と言われ、アメリカの歓楽街とさえいわれ、売春が一般的に行なわれていたころと比べると、キューバ人は誇りを取り戻した。

現在の日本は『アメリカの何々』と言われる国だが、観光一つとっても新しい流れをふくまらせていきたいものだ。

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2008年6月 3日 (火)

九大ファントム墜落40年

今から40年前の1968年6月2日22時45分ごろ、福岡県福岡市東区に
ある九州大学箱崎キャンパスの一角が爆発音とともに炎に包まれました。建設中
だった電算センターに、アメリカ軍のファントム戦闘機が墜落炎上したのです。
米軍板付基地(現在の福岡空港)へ向かう途中でした。
  
 死傷者はいませんでした。しかし、電算センターの目と鼻の先には放射性物質
のコバルト60の貯蔵庫がありました。もしここに墜落していたら、福岡市は放
射能に汚染されていました。
 
 事故直後、カービン銃を持ったアメリカ軍兵士が事故現場に入ろうとしました。
しかし、集まった九大の学生たちは米軍兵士を押し返しました。
 
 当時はベトナム戦争の真っ最中で、板付基地には多くの米軍の戦闘機や爆撃機
が飛来していました。九州大学箱崎キャンパスはその飛行ルートの真下にありま
したので、九大の学生や付近の住民は、昼夜を問わずひっきりなしに飛来する米
軍機の騒音に苦しんでいました。墜落の恐怖も感じていました。そしてついに墜
落事故が起こりました。
 
 九州大学の学生たちは、付近の住民と一緒に板付基地撤去闘争を行いました。
大学のトップも、学生や住民と一緒にデモを行いました。学生と住民が共闘した
撤去闘争によって、1972年、米軍板付基地は日本に返還されました。
 
坂井貴司

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2008年6月 2日 (月)

「ベアテの贈り物」は JANJAN 小倉文三

『ベアテの贈りもの』は『人類の贈りもの』

http://www.news.janjan.jp/culture/0806/0805318431/1.php

インターネット新聞JANJANの記者、小倉文三さんが、映画「ベアテの贈り物」を見て、いろいろな思いを書いています。

ベアテ・シロタ・ゴードンさんは、日本国憲法の女性の地位に関する条項に大きな足跡を残しています。彼女はこの5月、9条世界会議のときにも来日しました。記事では、ユダヤ系であったという、あまり知られていない側面にも触れています。

ユダヤということから、若い頃訪れた、「アンネの日記」のアンネの隠れ家のことなど、アンネとベアテさんを重ねあわせて、今思い、感じるところなど載せています。日本国憲法が、過去に生きた、有名有無名たくさんの人々からの叡智の贈り物であったことが、静かに伝わってくる文章です。ごらんください。

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2008年6月 1日 (日)

「六ヶ所村通信」 鎌仲監督のDVD

2006年5月に開催した北陸平和映画祭において、
映画「六ヶ所村ラプソディー」を前夜祭上映すると同時に、
鎌仲監督にも来ていただいて、お話もしていただきました。
あれから2年が過ぎて、再処理工場はどうなったのか?

膨大な予算を正当化するため、昨年度末ぎりぎりに稼動して、
問題だらけだからすぐに停止したまま、今度は未解決のまま、
今月5月には、見切りで再稼働すると発表されていました。
現場では何が起きているのか、気になっていたのです。
そこへ、「六ヶ所村通信 №4」が出ると聞いたので、
さっそく取り寄せて、見せていただきました。

さすが監督の手法は、問題の浮き上がらせ方がいいですね!
この二年間に、危機感を持った若い人たちが動き始めている。
そんなサーファーグループと共に、湘南から青森へ向かう。
彼らが旅の途中で出会う人たちとの、さりげない会話の中で、
一般の大人たちが、行政の説明を信じているのを聞く。
放射能被害よりも、その風評被害を心配する声まである。

だけど再処理工場の現実は、そんな楽観的なものではない。
その現実をひしひしと感じている、漁業組合との対話や、
農業をする苫米地さんの、深い戸惑いが写し出される。
せっかく作る農産物が、放射能で汚染されるならば、
それを売ることに、罪悪感を感じ始めているのです。
売れる売れないではない、売っていいのか?悩むのです。

その迷いをどうすればいいかわからず、奈良へ行って、
自然農の指導者である、川口由一さんに問い掛けます。
彼は、被害は農者ではなく政治家も含む全員が受けること、
そうした汚染は、命のフィルターで拭うしかないと言う。
僕らはこの先何代にも渡る命をもって、汚染を浄化する?
そんなことがどうして許されてしまっているのか?

放射能汚染に抗議する人たちに対して、お役所は、
かならず専門家の安全宣言を掲げて大丈夫だと言うけど、
その根拠がいかに希薄なものであるか、暴かれていく。
それも監督が暴くのではなく、登場人物が問い暴く。
このあたりは、実に見事に編集されている気がしました。
この通信は、もう立派なドキュメンタリーですね!

さて、原子力利用を国のエネルギー政策と決めた行政は、
ダムや道路がそうだったように、ひたすら前に突き進みます。
川田議員は、法律で暴走する政策は法律で止めるしかない!
と言いますが、とうめんそれは叶うとも思われない。
納得できない若者たちは、「あしたの森」の植林に参加する。
「植林で森が変わるのではなく、人が変わるのだ」と言う。

反対する人ばかりではなく、賛成する人の意見出てきます。
この再処理工場のおかげで、働く場所があることを喜ぶ人、
事故で死ぬか病気で死ぬか、どうせ死ぬんだからと開き直る人。
このフィルム自体は、偏った誘導は一切していないのですが、
放射能の不安から行動する若者には、新しい視点がある。
彼らは皆、自分の事として再処理工場の意味を考え始めている。

賛成派の人は、事故が起こらなければいいじゃないかと言う。
それは実は、戦争したって勝てばいいと言う理屈に通じている。
僕らは自分たちの生き方として、戦争自体を拒むのです。
勝てばいいのではなく、誰かの命を苦痛に晒すことを拒むのです。
同じように、放射能汚染の危険を冒してまで電力は要らない。
僕らは将来の命を、危険に晒さない生き方を望んでいるのです。

見終わった興奮が冷めやらず、長々と書いてしまいましたが、
この「六ヶ所村通信」のDVDは、一枚1500円で購入できます。
この記事には書ききれない、多くの事が集約編集されていますので、
皆さんも買って、あるいは上映会を開いて、ご覧になってください。

「六ヶ所村通信」の情報は、(↓)こちらから。
http://www.rokkasho-rhapsody.com/index2

「イソップ通信」より転載

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6.30 「靖国」上映 四万十市

映画「靖国」上映を求める会は、6月30日(月)に
四万十市で「靖国 YASUKUNI」を上映することを決めました。

会場は四万十市立文化センターホール
時刻は、午後1時半、4時、6時半の3回で
前売りは一般1000円、高校生以下800円です。
これはおそらく高知県ではじめての上映となる見通しです。

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2008年5月31日 (土)

社民党にエール 天木直人

航空自衛隊機の中国派遣にたった一人反対した社民党にエールを送りたい

 私は憲法9条護憲論者である。そのことをはっきりさせておいた上でこのブログを書く。憲法9条改憲論者にとっては、このブログは無意味であるからだ。

 中国大震災の救援活動のために航空自衛隊の輸送機が救援物資を運ぶかどうかが迷走している。

 これほど不透明な報道はない。何がなんだかさっぱりわからない。

 報道によれば中国側の要請によって空自のC-130輸送機が救援物資を運ぶ事になったという。

 それが29日の各紙に大きく報道された。

 ところが一夜明けて、中国世論の反発を考慮して取りやめになるという。民間機で運ぶという。

 この顛末をメディアは検証して国民に説明しなくてはならない。

 日本政府が発表しているように、中国政府が本当に進んで自衛隊機の輸送を日本に要請し、それが中国国民の反発を買って取りやめになったのなら、すべての責任は中国にある。

 中国国民と中国政府の間に、認識の大きな食い違いがあり、中国政府が国民の声を読み間違って、国民の声に耳を傾けざるを得なかった、という事になる。

 これは共産党中国の歴史上、大きな事件である。

 しかし、そんなことはまず考えられない。

 そうだとすると、これは日本外交の下手な工作が失敗したという事ではないのか。

 震災援助という名目で自衛隊を使うことを中国が反対しない事を逆手にとって、中国政府の反日政策が変わった、日中関係は福田政権でここまで劇的に好転した、という事を、政府は日本国民に宣伝しようとしたのではないか。

 メディアがその情報操作に加担したのではなかったのか。

 それが、中国国民の反応を見て、これはやばいと日本政府が政策を急転させたのではないのか。

 それにしても30日の朝日新聞の社説には失望させられた。

 「日本の防衛力に警戒心を隠さなかった中国が、日本の救援振りを称賛し、そのために自衛隊機が飛来しても反発は小さいと判断して要請したのであれば、これを対日不信の解消につなげたい、日中関係改善の成果だ」と絶賛しているのである。

 福田政権や外務省が泣いて喜ぶ社説である。

 しかし、この社説を書きあげた後で、日本政府は、中国国民の反応をみて自衛隊機派遣を断念した。朝日新聞は翌日の社説でどう書くつもりなのか。

 いつものとおり前置きが長くなったが、私がこのブログで書きたい事は他にある。

 それは、日本共産党の志位委員長が29日の記者会見で、「自衛隊が救援、救出活動をすることは否定するものではない」と述べていた事についてである。

 私は知らなかったのだが、日本共産党は、「きわめて大きな自然災害が起きたときは自衛隊が海外でも救援活動することを否定するものではない」と態度表明してきたというのだ。「(その方針は)今でも変わりはない」(30日産経新聞)と、29日の記者会見で述べたというのだ。

 私は平和憲法9条を何よりも重視する立場の一人として、この日本共産党の方針に大きな違和感を覚える。

 自衛隊は対外的にはまぎれもない軍隊だ。

 軍隊が他国に進出、滞在する事に対する国民の反発がいかに強いものであるかは、中東をはじめとして多くの国で私は感じてきた。

 当然である。軍隊が他国に進出、滞在するという事は、軍隊の基本的性格上あってはならないことなのだ。

 自衛隊機のほかに選択の余地が無いというのなら話は別だが、テントを輸送するぐらいならば民間機でも十分である。

 それを、「災害救助ならば自衛隊の海外派遣を否定するものではない」、と軽々しく言ってしまう日本共産党は、果たして憲法9条をどこまで本気で守ろうとしているのだろうか。

 30日の産経新聞は、共産党までもが賛成しているのに、社民党だけが反対した、と書いている。

 いいじゃないか、社民党。

 「中国の国民感情も考慮し、反対だ」と28日の記者会見で反発した社民党福島瑞穂党首の言葉が、いま、まさに輝いている。

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2008年5月29日 (木)

原油高の放置 天木直人

異常な原油高がなぜ放置されるのか

   ここにきて原油の高騰が異常なスピードで加速している。

   その背景には、一方において中国をはじめとした新興国や米国の需要増加があり、他方において、サブプライムローン問題で行き場のなくなった投機マネーが流れ込んだという説がもっぱらだ。

   しかし、理由はどうであれ、原油の高騰は世界経済に打撃を与える。特に開発途上国や中小企業、消費者など、いわゆる弱者に与える打撃は大きい。

   なぜ、主要国の指導者は一致団結して対策を講じようとしないのか。対策を講じようにも、どうしていいか誰も分からないのか。それとも今の原油高で潤っているものたちが、意図的に原油高を図っているのか。

   この点こそ追及し、真相を突き止め、情報公開されなければならない。誰かがそれを行わなければならない。

   しかしながら、政府も、メディアも、有識者も、まるでひとごとのような受け身の姿勢に終始している。

   政府は様子見を決め込み、企業は原油高を前提とした対策を講じざるを得ないという。メディアに至っては「省エネで活路を見出せ」と書く始末だ(23日読売社説)。

   それと好対照なのが73年の第一次オイルショックの時の主要国の対応である。

   当時は開発途上国の資源ナショナリズムが燃え盛り、産油国が結束して石油価格を1バレル3ドルから12ドルに急騰させた。

   それにあわてた先進主要国は結束して対決姿勢を打ち出した。それがサミットが設立された本当の理由だったのだ。

   時を同じくして主要消費国は国際エネルギー機関(IEA)を作って、節約・備蓄、相互融通スキームの作成、新エネルギーの開発を三本柱にして産油国と対決姿勢を示した。

   主要国が本気でギャングアップすれば産油国のカルテルなどひとたまりもない。

   その効果はてきめんにあらわれ、やがて石油がだぶつき一時は40ドル近くまで高騰した価格は15ドルぐらいまで下落し、低迷した。

   その後78年には第二オイルショックがおきて再び原油は高騰したが、それでも、原油価格は変動を重ね、少なくとも2007年はじめの時点では1バレル50ドルを割り込んでいた。

   それがわずか1年あまりで130ドルだ。やがて150ドルに届く。これは異常だ。

   いくら投機であるといっても、いや投機であるからこそ、健全な経済活動の回復のためにも、そして世界の弱者救済のためにも、世界の指導者は結束して手を打つべきではないのか。

   そうならないのは、それを望まない力が働いているからだ。原油高騰でぼろもうけしている勢力があるからだ。

   サブプライムローン問題で明らかになったように、いまや世界の富は、金融工学と言う詐欺まがいの錬金術によって一極に集中し、その金が世界を動かすようになっている。

   人の命もモラルも戦争も、なにもかも、巨大な富に目がくらんだ限りない人間の欲望に支配されようとしている。

   誰かがそれに待ったをかけなければならない。弱者のために立ち上がる強者が現れなくてはならない。本当の事を人々に教え、大衆を正しく導く指導者が現れなければならない。
 

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金明孟宗竹 JANJAN 成川順

かぐや姫はどこかな?ー高知・日高村に金明孟宗竹をたずねて』

 http://www.news.janjan.jp/area/0805/0805257873/1.php 

成川順さんが、めずらしい金明孟宗竹を取材して記事にしています。

美しい写真と共にユニークな文章を載せています。高知県民でも知らない人が多いのではないかと思います。ぜひ、ごらんください。

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2008年5月27日 (火)

沖縄問題 天木直人

沖縄問題が解決しないのは、本当の事が知らされていないからだ

  「知らぬが仏」という言葉がある。英語にも同じような言葉がある。「無知は幸いなり」(ignorance is a bliss)である。

  古今東西を問わずこの言葉には真理がある。知らなければ怒ったり、悩んだりしなくて済むからだ。知ったところでどうすることも出来ないのならば、いっそ知らないほうが楽である。

  しかし、国民がそのような受身に終始してしまえば、世の中はいつまでたっても変わらない。為政者の悪は、それをいいことに増長していく。

  だから、つらくても真実を直視しなければならない。自分に直接関係がなくても、無関心でいることは危険な事なのである。いずれ自分の身にも悪政の結果が及んでくる。

  25日の朝日新聞に学ぶところがあった。私が知らなかった沖縄問題の本質を発見した。

  沖縄問題がいつまでたっても解決しないのは、我々が本当の事を知らないからだ。

  朝日新聞編集委員の片岡秀俊氏が、仲井真弘多、稲嶺恵一、大田昌秀の歴代沖縄三知事にインタビューをして、その言葉を紹介していた。

  復帰36年たっても米軍基地の75%が集中する沖縄の現状が変わらず、日米合意から12年過ぎても普天間基地返還は一向に進まない。

  この現状をどう見るか、という質問に、これら三知事がどう答えていたか。

  いずれの知事も沖縄の負担軽減を望む点では一致する。それは沖縄県の知事としては当然である。

  しかしそのような一般論を一歩進め、普天間基地の移転問題をどうするか、という各論になると、問題の本質が俄然浮き彫りになる。

  仲井真知事は、県内移転はやむを得ないが、問題は「沖縄県や地元も合意した普天間の代替案(辺野古沖合案)を、稲嶺知事の頭越しに政府が勝手に変更したため」であると、あくまでも地元の了解と納得を強調する。

  その稲嶺知事は、「代替施設の固定化は絶対避けたい」との思いで「代替施設使用期限15年」を主張し、「その実現に力を尽くした」事を強調する。しかし「県と市町村、漁協まで一致した沖合案が変更になり、難しくなった」と、政府の進め方が問題だったと答えている。
  基地の固定化には反対だとしている点で仲井真知事より沖縄県の負担軽減を強く訴えてはいるが、その姿勢は同じだ。基本的には政府との条件闘争に過ぎない。

 これに対し、大田知事の発言は、沖縄問題に関する本質論を、次のように私に教えてくれた。

 ・・・県内移設にノーといったのには、二つの理由がある。
   一つは今回の代替施設(案)が、米軍が60年代に作った計画によく似ていた(からだ。すなわち米国は)本土復帰で沖縄に安保条約が適用される前に、嘉手納以南の基地を辺野古周辺に集約する計画だった・・・これは米軍が望む基地強化にほかならない。
 もう一つは米会計検査院の報告が、日米政府の言い分と異なっていた点だ。米会計検査院によると代替施設は運用40年、耐久200年の設計だという。これは基地の永続化である・・・

  大田知事のこの指摘が正しければ、日米両政府は示し合わせて、沖縄県民、日本国民の無知につけ込んで、基地の機能強化、固定化を図ろうとしていたと言うことである。しかもその経費の多くを負担させられる形で。

  日米軍事同盟が重要だと考える人がいてもいい。
 
  政府がそれを国民に説得するのもいい。

  しかし堂々と真実を述べてから国民にその是非を問うべきである。

  決して小泉元首相のように「負担軽減と抑止力の確保」の両立だ、などという矛盾したワンフレーズでごまかせばいいというものではない。沖縄問題はもっと深刻な日本国民全体の深刻な選択の問題なのである。

 ちなみに沖縄問題に関しては、00年7月16日の琉球新報が、68年11月の沖縄知事選(主席公選)において、自民党候補者を勝たせるためにCIAが選挙資金を援助するという裏工作をしていた、と報じていたという。

 週刊文春の02年8月15・22合併号は、CIA工作費2、000万円の授受を担当していたのは若かりし頃の小泉元首相であるという関係者の証言を掲載していたという。

 これらの報道が、一過性の単なる報道であると見過ごされてはならない。沖縄問題を考える上で、その史実は是非とも明らかにされなければならないのだ。

 真実を知れば知るほど日米軍事協力の裏にはおかしい事が行われていたとなれば、それはやはりおかしいのであ