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2016年3月14日 (月)

隠されていたフランス原発事故

隠されていたフランス原発事故の真実

じゅん / 2016年3月13日 以下抜粋
http://midori1kwh.de/2016/03/13/7898

Unknown-23月はじめ、ドイツのマスメディアは、ドイツが2年前にフランスの原発事故によって深刻な被害を被る可能性があったことを報じた。1977年に建設されたフランスで最も古いフェッセンハイム原発は、アルザス地方のドイツとの国境近くにあり、南西ドイツの大学都市、フライブルクの町から約30キロしか離れていない。西部ドイツ放送と南ドイツ新聞独自の合同調査によると、この原発で2014年に起こった事故は、公式発表よりはるかに危険なものだったという。

2014年4月9日午後5時頃、フェッセンハイム原発第一ブロックの監視センターのアラームが同時に数カ所で鳴った。複数箇所での浸水を知らせるもので、これが事故の発端だった。核とは関係のない場所で水が溢れ出し、水量は3000リットルにも達した。その水がどうして原子炉の中心部に入り込んだか、専門家にとっても謎だというが、その後の成り行きは、技術的なトラブルの連続と現場の混乱としか言いようがない状況だったと言われる。電気系統の故障、自動安全システムの機能喪失、制御棒は動かず、原子炉を規則通りに停止させることに失敗したことなどが、事故から約2週間後の4月24日、フランス原子力安全庁(ASN)が当時のフェッセンハイム原発所長に宛てた書簡による問い合わせや説明要求などから推定されるという。Unknown-1

二つある安全システムの一つが機能しなくなったことが確認されたため、急遽緊急対策本部が設けられ、最終的には原子炉容器内の冷却装置にフッ素を投入するという緊急措置によって、原子炉を止めた。フッ素には中性子を吸収する性質があるため、フッ素の投入によって核分裂のスピードを遅くし、運転を止めることができる。ASNの問い合わせや説明要求に対する原発側の答えがないため、実際の状況について不明な点もあるが、原発の安全対策の専門家で、長年ドイツ政府の諮問機関であるドイツ原子炉安全協会(GRS)で各原発の安全性を審査してきたマンフレッド・メルティンス氏は次のように語る。

原子炉の心臓部でこうした事故が起こり、安全システムが機能せず、原子炉の稼動停止も通常の方法で行うことができなくなったとすれば、これは非常に深刻な出来事だと言わざるを得ない。制御棒の操作によってではなく、フッ素の投入によって原子炉の運転を止めた例は、西ヨーロッパではこれまで1度もなかった。

この緊急措置は、言って見ればアウトバーンを高速で走っていた車に急ブレーキをかけるようなものだという。さらにこのフッ素投入による緊急措置もスムーズにはいかなかったとメルティン氏は見る。

原子力安全庁の書簡には、その際冷却装置内部の水の温度が目標より下がったことを批判する箇所があるが、これは、炉心内部の制御情報が得られなくなったことを意味する。炉心の温度についての情報が3分間得られなかったという情報もある。つまり、この間は原子炉が、いわば「めくら運転」されていたことになる。

別の専門家は、「そもそも原子炉区域外で漏れた水が、被膜ケーブルを伝わるなどして中心部の安全装置まで入ったこと自体、あってはならないことである」と言う。

しかし、このドラマティックな事故を、フェッセンハイム原発が所属するフランス電力会社(EDF)は、当時、「原発施設の原子炉区域外で水漏れが起こり、電気の配電盤に水が入ったため、自動的に稼動停止となった」と説明し、この事故は、国際原子力事象評価尺度(INES、0から7までのランクがある)の下から2番目に低い、レベル1と評価された。またウイーンに本部のある国際原子力機関(IAEA)にも、制御棒が動かなかったことやフッ素投入という異常な手段で原子炉の運転が止められたことなどは、報告すらされなかったという。フランス原子力安全庁自体も、事故直後フェッセンハイム原発の責任者からも、EDFからも事故の全体像についての報告はなく、2週間後の原子力安全庁側の問い合わせで、初めて詳細を知ることができたとしている。

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