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2015年9月 2日 (水)

核燃料サイクル延命

◆核燃料サイクル延命 経産省「撤退許さず監督」 認可法人新設

  経済産業省の有識者会議は31日、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業から民間事業者が撤退できないようにするため、新たな認可法人を設置する案を大筋で了承した。今後詳細を詰める。
  
  核燃料サイクルの中核となる再処理事業は、電力各社が出資する日本原燃(青森県六ケ所村)が手掛けているが、実現のめどは立っていない。再処理事業の「延命」で電気料金などの国民負担が継続する恐れがある。 (中略)
  
 青森県六ケ所村の日本原燃の再処理工場はトラブルが相次ぎ、これまでに完成予定時期が計22回、延期され、まだ稼働していない。建設費の見積もりは当初の約7600億円から約2兆2千億円に膨張。国は再処理事業全体では、少なくとも約12兆6千億円が必要と試算している。
 これらのコストは、電気料金で消費者が負担している。電力会社は事業費に一定の利益を上乗せした「総括原価方式」に基づきコストを電気料金に転嫁しているが、2016年4月から電力自由化が始まると、この方式は廃止される。
 
  経産省は自由化後も再処理に必要な費用を電気料金に転嫁し、確実に回収できるような仕組みの導入を検討するが、立命館大の大島堅一教授は「民間で実現できず、存続が危ぶまれるような事業を国が続けさせることに問題がある。再処理が本当に必要なのかあらためて問うべきだ」と指摘している。
  (9月1日東京新聞2面より抜粋)
  
  *******
  
  大久保です。

この記事、サラッと見逃しそうですが、来年4月からの電力自由化に向けた、原発延命策の一つです。

今、政府は原発による電気のコストは(最低)10.1円/KWhと算出していて、「原発の電気は一番安い!」と言っていますが、実はバックエンドコストがいくらになるか不明確の中、それをかなり過小に見積もっているのです。

 しかし、電力自由化になれば、現在の「総括原価方式」(掛かったコストに3%の利益を乗せて電力価格を決める方式)が崩壊する事に国は危機感を持っており、各電力会社が核燃料サイクル維持のために日本原燃に支払っている費用(コスト組み込み分)をコスト削減のために、やめてしまう事を恐れています。

 既に皆さまご存知のように、核燃サイクルのキーポイント、六ヶ所村の再処理工場も高速増殖炉もんじゅも絵に描いた餅になっています。


それで、各電力会社が原燃への支払いをやめられないように、国がこの認可法人を設立することにした。という事です。

つまり、見込みのない核燃サイクル維持のための費用を電気料金に上乗せさせられ続くのです。

更に驚くべき事に、このような原発のバックエンドコストを発電コストではなく送電コストに上乗せしてしまおう*1、というとんでもない案を経産省の下の総合資源エネルギー調査会の下の下の「小委員会」で決定し、国会の承認もいらない省令でごまかしてしまおうとしているのです(8/31 日本弁護士連合会 セミナー資料より)。

「原発の電気料金は一番安い」というなら、こんな姑息なことをする必要はありません。

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