« メルケル訪日のドイツでの報道 | トップページ | クリミアの市民に尋ねる »

2015年3月16日 (月)

福島第一原発事故から4年後

福島第一原発事故から4年後・・・【第2回】
私にとって、この「4年後」という時期は、胸騒ぎを覚える
放射能災害が人体にはっきり発現しはじめるのが、「4年後」頃である

 広瀬 隆

○「汚染水の漏洩」というニュースは、一昨年以来、数えきれないほど報道されてきた。しかしまず、報道機関に言いたいのは、その量の表現である。何トン漏れた、という記事が多いが、危険性を示すのは、そこに含まれる放射性物質の種類と、それぞれの濃度である。つまりトン数に濃度を掛け算して、絶対量としての放射能(ベクレルあるいはキュリー)の量を示し、それを見出しに書く必要がある。

 いま多くが漏出しているのは、ベータ線を出すストロンチウム90ではないか。ストロンチウムは化学的にカルシウムと似た元素であるため、体内でも特に骨に蓄積濃縮して造血組織に重大な影響をおよぼす。「白血病を起こすストロンチウムが、何兆ベクレルも、海に漏出している」と書くべきではないか。
 
 加えて、福島第一原発事故の現場では、現在も毎時1000万ベクレル、1ヶ月で72億ベクレルの放射能放出が続いているのだ。放射能が空にもうもうと噴出している。そこには、数1000人の作業者が働いている。この放射性物質は空気に乗って、今も東日本全体にまき散らされている。

○トリチウムはどうか。もう溜める場所がないから海に流してしまえ、と原子力規制委員会の田中俊一委員長は暴言を吐いている。
 トリチウムは、水素原子に中性子が2つ加わった「放射性」水素である。この中性子が陽子に変化する時に、マイナスの電荷を持った電子(ベータ粒子)を放出する。ストロンチウムと同じようにベータ線を出す。そしてこのトリチウムが酸素と結合して水となる。人体は大部分がこの水である。このトリチウム水は、普通の水と化学的にまったく同じ性質を持っているので、化学的にはまず取り除くことができない。そのため原子力マフィアは、これを海に流すほかはない。
 
 トリチウムが放出するベータ線の電子は、エネルギーが最大18.6keV(平均5.7keV)と小さいので安全だと言う自称「原子力の専門家」がいるが、彼らは人体への作用機序をまったく知らない人間・・・まさしく殺人者の虚言である。トリチウムの催奇形性の確率は、致死性癌の確率の6倍にのぼる。そして染色体異常を引き起こすのだ。

○そして漏洩した放射性物質は、地下30メートルほどのところにある地下水にじゃあじゃあと流入して、直接「沖合」にどんどん流れ出している。これが事故「4年後」の現状だ。福島県民は、これに目をふさいではいけない。
 次回は、この中性子に関連する高浜原発の危険性について述べたい。

|

« メルケル訪日のドイツでの報道 | トップページ | クリミアの市民に尋ねる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/212229/59293463

この記事へのトラックバック一覧です: 福島第一原発事故から4年後:

« メルケル訪日のドイツでの報道 | トップページ | クリミアの市民に尋ねる »