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2015年2月16日 (月)

教科書採択の留意事項

愛媛の奥村です。


「教科書採択の留意事項について」

(平成27年1月29日(木曜日)平成26年度指定都市教育委員・教育長協議会(第2回)配布資料)は、文科省の下記に掲載されていました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/saitaku/1354969.htm

この「留意点」の「採択権限」のところに、下記のように書かれています。

「調査員からの報告等を鵜呑みにしたり,教職員の投票によって採択教科書が決定されたりするなど,教育委員会の責任が不明確になるような採択の手続は適当ではありません。」

みなさんご存じのように、教育委員会に採択権限があるとして、選定・採択資料の評価を無視し、選定委員会などの答申を無視し、委員らの独自の評価にもとづき、委員らの多数決による採択が、強行されるようになったのは、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導し、編纂した扶桑社版歴史教科書(「つくる会」教科書)が登場することとなった2000年以後です。

「つくる会」は、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(安倍晋三事務局長・当事、後に「日本の前途と歴史教育を考える会」と改名)などの自民党右派勢力との共同歩調により、政治圧力により、文部省の「教科書の採択について(通知)」が、「採択権者の自覚と責任」から「採択権者の権限と責任」と変化して行き、委員会の採択権限を強化されてきました。

「つくる会」系教科書が、採択されている殆どのケースが、「採択権限が教育委員会にある」として、選定資料などの採択関係資料を無視し、教育委員らの独自の私的な評価にもとづく採択です。

愛媛の場合(県教委・今治市教委・四国中央市教委)もこれに該当します。このような採択は、違法であると「えひめ教科書裁判」は、一貫して訴えてきました。

裁判所も当初は、「採択権限が教育委員会にある」ということを前提した判決でした。しかし、「『公立学校の教科書採択権限は、公立学校にあっては、所管の教育委員会の権限において行われるとする。』とする文部省初等中等教育長回答が存在しており、この回答を不当とする意見もある」と変化し、「採択権限が教育委員会にある」ことを前提とする文言は、なくなりました。

下記は、教科書採択無効確認等請求事件の第3回口頭弁論(2月17日)に向けて、提出しています浪本勝年(日本教育法学会・理事、元立正大学教授)さんの「意見書」の冒頭の文書です。この意見書で、「採択権限が教育委員会にある」との被告の主張を完全に、「空手形」になったと思っています。

「 学校の教科書採択権についての明文規定は存在しない。教育条理からして教師に採択権が存すると解するのが自然である。すなわち教科書採択は、教科書を使用して直接子どもの教育の任に当たる教師を中心に、保護者や子どもの意見も参考にしながら行われるべきものである。

 「教育行政機関」である今治市教育委員会よる教育行政の限界を超えた本件教科書採択行為及びその結果として当該教科書の学校における使用の強要は、異常な学校教育への介入であり、教育の自由及び教師の教科書採択権を侵害し、教育基本法が禁じる「不当な支配」に該当する違法なものであると同時に日本国憲法第26条が保障する「教育を受ける権利」を侵害する違憲の行為である。」

下記に浪本勝年さんの了解を頂き掲載しました。
ぜひ、各地での今年の採択において活用ください。
http://kyoukasyosaiban.web.fc2.com/sub2/29-1/i1.pdf
A4サイズ 24頁

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