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2014年6月11日 (水)

自衛官たちに「再宣誓」を

自衛官人権ホットラインの小西です。

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安倍内閣は、自衛官たちに「再宣誓」を問う覚悟はあるのか?

安倍内閣は、今国会会期中にも集団的自衛権行使を求める閣議決定を行う、としている。この戦後日本の、国際的に評価された平和主義=平和憲法体制を大転換する決定を、私たちは見過ごすことはできない。何よりも、その大転換によって命を賭けさせられる自衛官たちの立場から異議を申し立てたい。(自衛官人権ホットライン・事務局長 小西誠)

自衛官の「命を賭ける宣誓義務」

自衛官が、他の公務員などともっとも決定的に異なるのは、その任務に「命を賭ける義務」(賭命義務)が課せられていることだ。すなわち、すべての自衛官は、入隊時に以下の「宣誓」を読み上げ、署名・捺印しなければならない(自衛隊法第52条・53条「服務の宣誓」、自衛隊法施行規則第39条)。

宣 誓
私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。

これは、自衛隊法第3条に基づく「自衛隊の任務」ー「自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする」から定められている。

つまり、現在、自衛官は、「日本への直接・間接侵略からの防衛のため」にのみ、「賭命義務」のある宣誓をさせられている。言い換えれば、今、安倍内閣が決定しようとしている集団的自衛権行使=「他の同盟国等の防衛」という「主要任務」(本来任務)の追加は、自衛隊法が定める自衛隊の任務ではない。もちろん、これは自衛隊法第3条1項の1号・2号が掲げる「周辺事態」でも「国際社会の平和」でもない。

したがって、もしも、安倍内閣が集団的自衛権行使を自衛隊の任務とするなら、安倍内閣は、自衛隊法第3条の自衛隊の任務規定を改定するだけでなく、それに基づく自衛官の「宣誓」を改めて求めるべきである。
だが、安倍内閣には、その覚悟はあるのか?

保安隊から自衛隊への改変で「宣誓拒否」した約6300人以上の隊員たち

1954年7月1日、自衛隊はこれまでの「治安維持」が任務であった保安隊(←警察予備隊)から自衛隊に大幅に改変するにあたって、「賭命義務」のある「宣誓」を全隊員に求めた。その結果、全国で約6300人の隊員たちが宣誓を拒否し退職した。その内訳は、おおよそ以下のとおりだ(1954年6月23日『毎日新聞』)。ーー第1管区隊1200人、第3管区隊1400人、第4管区隊1100人、長官直轄部隊1200人、警備隊(現海自50人)、保安大学6人。

同紙によると、宣誓拒否者の多くが「乱闘国会の代議士が決めた自衛隊はいやだ」とか「いまはまだ自衛隊に変わるべきではない」などと、拒否の理由に「軍隊」にひとしい改変に異議を唱えたという。

自衛官への「契約違反」としての集団的自衛権による「同盟国などの防衛義務」

現在、安倍内閣が強行しようとしている、「集団的自衛権行使」による「同盟国などの防衛」は、明らかに今の自衛隊法が規定する「自衛隊の任務」ではない。

繰り返すが、自衛隊の任務は、あくまで「日本への直接・間接侵略からの防衛」であり、この主任務(本務)を変えて「他国の防衛」を含む任務へ規定を大幅に変更するのなら、当然、それに基づく「国と自衛官との職業上の再契約」をも改めて行うべきである。つまり、「再契約」=「再宣誓」が絶対的条件であるということだ。

安倍内閣は、集団的自衛権行使の閣議決定をした後、自衛隊法などの大幅改定を行うことを予定している。実際に報道の一部でも、閣議決定後の今秋の臨時国会あたりで、およそ8~10の法律の改定を予定するという。

自衛官たちに「再宣誓」で信を問え!

だが、この法律の大幅な改定と並行して、その集団的自衛権行使によって、大きな任務変更を迫られる自衛官たちに、何をどのようにするのか、という説明は一切ない。いわんや「再契約=再宣誓」の提起もなされていない。報道で漏れ伝えられているのは、石破自民幹事長の「軍法会議が必要」だの、「自衛官に300年の懲役刑罰」が必要だのという、おぞましい考えだけだ。
この発言には、自衛官を国民の一員として(一市民として)扱おうという姿勢は、微塵にも見られない。

全国的に充満する「死にたい、辞めたい」という声

こういう事態の中で、自衛官人権ホットラインには、毎日のように、この増強態勢にある自衛隊内での人権侵害事件の多数の相談(上官のパワハラ・いじめなど)が寄せられている。まさに「死にたい、辞めたい」という声が、今隊内には全国的に噴き出しつつある。この凄まじい非道な実態を、自衛隊の高級幹部はおろか、阿倍政権はまったく承知・認識もせず、「集団的自衛権行使」という「観念的論議」を唱えている。

再び、問う! 安倍内閣よ、自衛官たちに「再宣誓」を問う覚悟はあるか?

自衛官人権ホットライン http://gi-heisi.doorblog.jp/archives/27316757.html
ホットライン相談室 http://8701.teacup.com/hotlines/bbs

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