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2014年5月23日 (金)

薄めれば排出できる仕組み

東電福島第一原発・地下水バイパス計画の強行に抗議・中止を求める
  海の汚染の拡大をくい止めたい

   汚染があっても薄めれば排出できる仕組み(悪質)

  山崎久隆(たんぽぽ舎)

 歴史的な大飯原発差し止め判決の5月21日にぶつけるかのように、東京電力は福島第一原発で地下水を海に投棄する「地下水バイパス計画」を始動した。
 私たちはこれに強く抗議し、直ちに中止することを求める。

 地下水バイパス計画とは、原発敷地内に流入する地下水を上流側の海抜約30メートル地点に設置した12本の井戸でくみ上げ、海に流すというもので、東電によれば現在日量400トン流れ込んでいる地下水を最大100トンほど減らせるとしている。
 しかし、これが成立するための大前提は、地下水に放射性物質が含まれないことと、放射性物質の混入を厳重に監視し、未然に防止できることが保障されることである。

 しかし、東電のずさんな汚染水管理により、くみ上げ井戸の上流に1リットル当たり2.4億ベクレルものストロンチウムを中心とした放射能を含む汚染水を、土壌に何百トン(わかっている限りで300トン規模)もしみこませてしまい、いずれは土中から汚染地下水となってくみ上げ井戸から海に流れる経路を作ってしまった。
 そのうえ監視体制は12本の井戸からくみ上げた地下水は一系統のタンクに貯水され、放出される段階で一部を検査するというものの、その体制は脆弱であり、今までの東電のチェック体制では容易に突破されると考えるほうが自然である。

 まとめられてしまった地下水に汚染が見つかっても、どの井戸からの水が何に汚染されているかをつかむのは困難であり、さらに汚染されたからといって基準値(セシウム134が1ベクレル/リットル以下同じ、セシウム137が1、全ベータが5、トリチウムが1500)を下回るならば放出されてしまう。つまり汚染があっても薄めれば排出できることになる。

 全量検査ではないし、ストロンチウムなど測定が難しい核種は測定さえしないといった態度に、東電の姿勢が見て取れる。
 さらに地下水バイパスが有効に機能して、地下水の量を減らせる(少なくても東電の主張程度に減らせる)保証もない。
 最悪の場合はまったく減らないこともありえる。
 減ったかどうかも、地下水の流速を考えれば数ヶ月たたなければ評価もできない可能性さえある。

 地下水バイパスをめぐっては、多くの福島県をはじめとした市民の反対がある。同意したとされる福島、茨城の漁協も「苦渋の判断」とした。被害者に苦渋の判断を強制する加害者とはいったい何なのか。そのことを私たち東電管内の電力消費者は考えなければならない。

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