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2014年5月 7日 (水)

犯罪的権利集団的自衛権

必要ない犯罪的権利=内田樹・神戸女学院大名誉教授-集団的自衛権を問う

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014050700488
「時事ドットコム」

 -集団的自衛権の行使容認の議論をどうみるか。

 集団的自衛権は、東西冷戦構造の中で生まれた考え方で、米国とソ連が自身の勢力圏内に現れた反対勢力をつぶしに行く権利だ。実際に民族運動や民主化運動をつぶしており、ハンガリー動乱やベトナム戦争などの例から見ても、多くの流血が伴う犯罪的な権利で、勢力圏や属国を持たない日本が持つのは全く無意味だ。

 米国の海外派兵に同行したいというのが行使容認の唯一の目的だが、日本国民にとってマイナスでしかない。本来出てくるはずがないものを出して牽強(けんきょう)付会するのは政治が液状化していることの表れだ。

 -行使すると自衛隊員が海外で戦死する可能性がある。

 戦死した自衛隊員は当然、靖国神社にまつられる。(容認派の)夢は「貴国の軍事作戦で亡くなったのだから」と米国大統領に靖国参拝を強要することなのだろう。米国務省の役人は既にそうした事態も想定しているはずだ。一度戦争が始まるとこれまでの常識は通用しなくなり、安全な社会には戻れなくなる。

 -容認に進む安倍政権の支持率は高い。

 例えるなら安倍晋三首相は老舗旅館の3代目で、「先代のおかげで今日がある」と表では言うが、建て増しを繰り返した旅館が内心はいやでしょうがない。自分から旅館をたたむと言えないので、いっそ燃やしてしまおうと無意識のうちに考えている。
 外交でも内政でも一貫して極限まで状況を追い込んでいる。危機を作り出して社会を不安定にし、一押しですべてが崩れるようなシステムにしたい。そうした破滅願望が、日本人の「この世の終わり感」とシンクロしている。

 -政治手法をどう考えるか。

 安倍首相が言う「美しい国」とは、株式会社のようにすべてがトップダウンで決まる社会だ。人事も予算もすべてトップが握り、下の者はアクセスできる情報も限られる。「政府答弁について私が責任を持ち、選挙で審判を受ける」という発言もビジネスマンと同じ発想だ。株価や商品の売り上げと同じセンスで、安全保障やエネルギー問題などを判断している。
 彼は資質的に人と議論して合意形成することができない。デモクラシーは邪魔だ、立法府はいらないというのが実感だろう。

 -憲法の価値をどう考える。

 フランス革命後の近代社会のルールを集大成した憲法学上の模範解答のような憲法だが、9条2項は米国が日本を無害化するために政治的に与えた条項だ。日本の軍国主義、共産主義をつぶした後、軍事的に有効利用するために自衛隊をつくった。米国が常に都合のいいように日本を使うという点で9条と自衛隊は全く矛盾していない。

 -国民は憲法と現実の間にねじれを感じている。

 米国の属国という事実を認めていないからだ。苦しくてもその事実を認め、どうしたら主権が回復できるかをみんなで考える必要がある。合意形成のプロセスが健全に動きだした段階で主権は回復される。

 内田 樹氏(うちだ・たつる) 東京都立大大学院博士課程中退。専門はフランス現代思想。著書に「街場の教育論」「日本辺境論」など。武道家でもあり、合気道場「凱風館」館長。63歳。東京都出身。(2014/05/07-14:41)

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安倍はかつての戦争で日本が中国に勝てなかったことが悔しいのではないか。今、米軍と一緒になって世界に自衛隊員を派兵しながら、尖閣を盾に、強い日本軍を誇示したいのではないか。そのためには、天皇を元首にし、国を守るという名目で国民を、富国強兵、国体護持の体制にもっていきたいのではないか。

しかし、アメリカの属国という現実を認識できず、国家主権のなんたるかも理解できず、軍隊だけを強化しても、決して日本の真の独立はなり得ない。結局、頭の中だけで描く戦争オタクなのだ。これで、日本人の命を軽く扱われては、国民はたまったものではない。

外国へ戦争しに行って、なんの面識も憎しみもない他国の兵士や国民に銃を向けるなどできようか。もっとも、命令ならしかたない、行くしかないという自衛隊員もいるのだが。集団的自衛権行使の先には徴兵制復活となるだろう。軍隊ほど理不尽で非人間的なものはない。もういやだ、との反省に立ってできた戦後の憲法である。平和憲法に守られて生きてきたこの社会を手放してはならない。

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