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2014年4月 3日 (木)

必要最小限論の誤り

弁護士川口創のブログ

http://kahajime.exblog.jp/21852702/

「必要最小限の集団的自衛権」論の誤り

「必要最小限の自衛権の範囲には必要最小限の集団的自衛権も含まれる」というところで自民党が落ち着きそうだ、という話です。

しかし、これは、9条についての従来の内閣法制局・政府見解について、誤った理解を前提に議論していると言わざるを得ません。

もともと、9条の政府見解については研究し、さらにこの間、阪田雅裕さんや大森政輔さんなど、元内閣法制局長官と直接お話を伺ってきた立場から、9条に関するこれまでの政府見解についてまとめます。

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・我が国の最高法規である憲法9条は、武力の行使などを国際紛争を解決する手段としては永久に放棄し(第1項)、前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は保持せず、国の交戦権を認めない(第2項)旨規定し、前文と照らし合わせすと、一見(文理上は)非武装を宣言しているようにも読みとれる。

しかし、憲法は、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることまで禁じていないと解されるが、

・それは、あくまで外国の武力の行使によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという、急迫、不正の事態に対処し、

・国民のこれらの権利を守るためにやむを得ない措置として初めて容認され、

・その事態を排除するための必要最小限度の範囲に止まるべきものである。

この反面として、

・自国に対する直接の武力攻撃がないのに、

・他国に対する武力攻撃を実力で阻止すること

を本質的内容とする集団的自衛権の行使が憲法上認められないのは、必然的な帰結である。

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以上が9条に関するこれまでの政府見解です。

集団的自衛権については、そもそも自国に対する直接の武力行使がない以上、一部だろうが全部だろうが、憲法上は認められない、ということです。

「必要最小限ならOK」ということはありえません。

これを集団的自衛権を認めるというのであれば、認めるのが一部であろうと、憲法改正をすべきです。

「必要最小限にとどめたことで、大人の対応をした」などと評価しているマスコミの記者達が何人もいるようですが、中身を正しく理解しようともせず、「何となく必要最小限といっているので、イメージ的に抑制的なので良い」、いうことでは、ジャーナリストとしての資質を疑います。

もう少し取材対象について正確な理解を持った上で報道してほしいものです。

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