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2014年4月13日 (日)

地下水バイパス計画に反対

地下水バイパス計画に反対する(その2) (その1は4/5発信)

放射能を海に捨てるな 再稼働よりも汚染水問題の解決を
  山崎久隆(たんぽぽ舎)

○可能な地下水バイパスの条件とは

  敷地内の地下水を海にそのまま投棄することが認められるためには、地下水に放射性物質が含まれていないことを保証しなければならない。
 事故以前に行われていた「サブドレンからの放流」は、原発建屋周辺から汲み上げた地下水をそのまま海洋放流していたが、この時は原発からの放射能漏れはなかった。日量850トンの地下水は汚染されていなかったから放流できた。

 今回の計画では放射性物質が建屋から流出していることを前提として、その上流側の井戸から取水する限りは、放射性物質はほとんど含まれないとしていた。

この前提が覆ってしまった。

 下流側で汲み上げていた放射性物質で汚染された水を、ALPSなどの放射能除去システムを通すことで「浄化」できるとしてきたが、これらのシステムがまともに稼働していない。稼働できない理由はいろいろあるだろうが、ほとんど公表されていない。サリーやキュリオンといった輸入システムの故障は、仕様書も完備しておらず原因究明も復旧も困難だ。

 ALPSは国も資金を供給して拡張されているはずだが、試運転のまま現在もトラブル続きで、その原因もはっきりしていない。もちろん再発防止もおぼつかない。

 結局、高濃度汚染水のままタンクで貯水しなければならなくなった。
 もともと、そんな汚染水を溜める予定ではなかったタンクに、リットルあたり2.4億ベクレルを超える汚染水が入ることで、少しでも漏えいが起きたら、直ちに高濃度汚染水の環境流出につながる状況になった。

 2月に発生した100トンあまりの汚染水漏えいは、その半分以上がストロンチウム90で、総量では24兆ベクレルに達する。半分以上は回収できず、地面にしみこんでいったとみられる。
 そのフランジタンクが建つ場所は、汲み上げ井戸の上流側である。漏えいが発生すれば汚染水は地下に入り、バイパス井戸から汲み出され、海に捨てられることになる。
 それだけでも地下水バイパス計画は破たん状態にある。
 
○地下水バイパスの効果

 東電の解析では、1号機から4号機の下に流れている地下水は日量800トン、そのうち建屋に侵入しているのが400トンで、残りが海に流れているという。

 上流側で、ここから日量1000トンの規模を汲み上げれば、地下水量が減るので建屋に流れる量が100トン減って300トンになるという。

 そんなに単純な話なのかと、普通に考えても疑問になる。

 まず、汲み上げる場所は建屋の遙か上、30m盤上の井戸である。この場所からは原子炉建屋の地盤まで20mの落差がある。井戸は30mの地盤の地下から水を汲み上げるが、地下水の多くは汲み上げ位置よりももっと高い位置から原子炉建屋のある地盤に流入するから、効果は期待できない。東電の言うような四分の三に減らせる見込みもない。

 さらに、大きな問題が別途生じる。

 東電の見込みに反して地下水位が下がらなければ、現状と変わらないが、もし東電の言うような大きな変動があると、その影響は未知のものとなる。
 2011年に市民団体「東電と共に脱原発を進める会」が東電と議論をしていて見解がすれ違ったのは、地下遮水壁を作った場合の問題点についてだった。

 東電は当時は「地下遮水壁を作り地下水位が建屋周辺で下がることになれば建屋内部の汚染水が地中に流出する可能性がある」としていた。もちろん、通り一遍の危険性議論ではなく、十分な安全対策を取りながら進めれば良いと、図示しながら反論をしていた。
 その問題はどのように解決されたのだろうか。公表されている文書を見ても見当たらない。建屋周囲の地下水位が下がれば、貫通部位から汚染水が流出する危険性は無くなっていないはずだ。

 汚染水対策としては大した効果もない割に、周囲の地下水がどのように動くかを十分に調べもしないで強行される地下水バイパスには、未知の危険性が潜んでいると考えるべきである。

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