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2014年2月24日 (月)

安定ヨウ素剤を飲んでいた県立医大医師たち

~3.11から3年 フクシマの真実~

「安定ヨウ素剤を飲んでいた県立医大医師たちの偽りの『安全宣言』」

FRIDAY 2014年3月7日号

あの原発事故の惨劇から、まもなく3年。

事故直後の混乱のなかで、行政や医師たちの対応に問題はなかったのか、あらためてそれが問われている。


本誌は、県内唯一の医大である福鳥県立医科大学(以下、医大)の内部資料を入手した。

地元の市井の医師の情報公開請求によって、初めて開示された文書だ。

そこには、医大の医師やその家族、学生だけに放射性ヨウ素被ばくの予防薬である
「安定ヨウ案剤」が配られていたことが記されている。

その詳細については後述するが、11年3月の原発事故直後、フクシマは大混乱だった。

福島県庁は、県外の医療機関などから114万錠のヨウ素剤を緊急収集し各自治体に配ったが、服用については指示を出すことを躊躇。

結局、独目に決定した三春町を除いて、直接県民に配られることはなかった。

その理由を県庁関係者は、こう説明する。

「汚染に関するデータがなかったこともあるが、医学界の権威の意見が大きく影響していました」

国が所管する放射線医学総合研究所は、3月14日に「指示が出るまで勝手にヨウ素剤を服用してはいけない」とする文書を発表。

同18日には、県の放射線健康リスク管理アドバイザーである山下俊一氏(現・県立医大副学長)が

『福島原発から30キロメートルほど西に離れれば被曝量は(年間限度量の)1ミリシーベルト以下でヨウ素剤配布は不要』と、

医大の医師たちを前に強調した。


同氏は県民向けの講演でも、「子供は外で遊んでいても問題ない」と断言している。


県立医大も、患者や相談に来た県民に山下氏たちの話をそのまま伝え、ヨウ素剤服用を進めてはいなかった。


だが医大内部資料によると、医師たちは秘かにヨウ素剤を飲んでいた。

医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手。1号機が水素爆発した3月12日から配り始め、多いところでは1000錠単位で院内の各科に渡していた。

しかも、医療行為を行わない職員の家族や学生にも配布。

資料には「水に溶かしてすぐに飲むように」と、服用の仕方まで明記されているのである。

『事故が発生してから病院に来なくなった医師もいて、動揺が広がっていました。
院内の混乱を鎮めるために、上層部がヨウ素剤の配布を決めたようです。
しかも服用を県に進言していない手前、配布については緘口令が敷かれていました』
(医大職員)


当時の国の基準によるとヨウ素剤の服用が助言されるのは、
1歳児の甲状線隷被曝線量が積算で100ミリシーベルトになると予想される場合だが、
後に公表された試算値では、原発から30キロ以上離れた伊達市でも、この水準を超えていたことが分かっている。

県立医大の医師たちは、何故4000錠ものヨウ素剤を自分たちだけで飲んでしまったのか。

医大は院内関係者のヨウ素剤配布は事実だとし、こう主張する。

「情報やデーターがないなか、医療機関として最後まで現場に残らなくてはいけないという認識のもと、職員の動揺を抑える目的で医大教職員と家族の配布に踏み切りました。
学生に配布したのは、不安が広がっていたためです。
緘口令を強いた理由は、国や県から服用指示の基準が住民に示されていないなか、医大が独自の基準を作ってしまうことになるからでした」
(広報戦略室)


ヨウ素剤を管理する福島県地域医療課は、当初事実を確認できないとしていた。

だが入手した資料を提示すると医大への配布を認め、改めて当時の課長が次のように説明した。

「ヨウ素剤は、福島第一原発から50キロ圏内にある各自治体に配布しました。
住民への配布を指示しなかったのは、判断するデーターがなく、踏み切れなかったからです。
医大へ配ったのは、(多くの放射線を浴びる)被災地へ出向く医師などを対象としたもの。
医大が家族や学生にまで配ったのであれば、疑問を感じます。」


確かに下手に服用指示を出せば不安をあおり、情報も少なかったため判断が難しい局面だった。

だが、ヨウ素剤服用について情報公開請求をした、医師で「子どもたちの健康と安全を守るプロジェクト」の郡山代表・武本泰氏は医大の態度を批判する。

「なかにはヨウ素剤を求めて、医療機関に問い合わせるなど奔走した母親もいるんです。
県民には安全だと言って副用を勧めなかったにもかかわらず、自分たちだけ飲んでいたというのは、同じ医療従事者として許せません。
県も医大に配布するなら、県民に服用指示を出すべきだったでしょう。」

現在までに75人のフクシマの子供たちが甲状腺がん、もしくはその疑いありと診断されている。


(記事終わり)


(郡山市 池田雅之)

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