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2013年12月 8日 (日)

西山事件一審裁判長

西山事件一審裁判長の山本さん(高知市) 官僚勝手に秘密作り隠す

http://www.kochinews.co.jp/13himitsu/131207himitsu03.html
「高知新聞」

 「秘密保護法案、反対」の声は、同法が成立した6日も夜遅くまで途切れなかった。そんな日々が続く中、高知市桜馬場の静かな住宅街で、元裁判官の山本卓さん(88)は国会審議をじっと見守っていた。「西山事件」の名で知られる沖縄密約漏えい事件。東京地裁で行われたその刑事裁判で、山本さんは裁判長を務めた。約40年を経て、再び鋭く問われた秘密と知る権利、国家と市民。「官僚は勝手に秘密を作り、隠し通す。昔も今も。裁判所は強制捜査権がないから、隠し通されたら手の打ちようがありません」。厳しい指摘が静かな口調で語られた。 

 弁護士資格を持つ山本さんの自宅兼事務所には、専門書や新聞が積み上がっている。西山事件を扱った故・山崎豊子さんの「運命の人」も見える。

 事件が起きたのは、1972年のことだ。

 沖縄返還で日本中が沸騰していた最中、国会で「密約」が浮上した。返還協定では表向き米側が支払う400万㌦を、本当は日本が負担するという密約がある―。社会党(当時)の衆院議員が外務省の機密電文を手に政府を問いただした。

 後日、電文は外務省の女性事務官が持ちだし、毎日新聞記者の西山太吉氏に渡していたと判明する。2人は秘密漏えいなどで国家公務委員法違反に問われ、裁判が始まった。

   ■  ■
中略
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 山本裁判長は、官僚の証言拒否を想定し、裁判所と外務省大臣官房を結ぶ電話を法廷に引き込んでいた。東京地裁では初めてだったという。「証言一つ一つに外務省まで許可を取りにいってたら、裁判が何年かかるか」。官僚に証言させよ、という異例の要求だ。そのやりとりを、書記官が傍聴席に聞こえるよう復唱した。

 それに対し、受話器の向こうからは「承諾できない」という返答ばかりが続いた。

 元裁判長は「国家の重大な利益だって、全部拒否されたんです」と振り返る。

 「普通の事件だったら、検事や刑事が一生懸命に証拠を集める。あの事件は逆。外務省と検事が一緒になって真実を隠そうとした」

 「裁判所には強制捜査権がない。提出された文書や証言しかない。限界がある。国家の重大利益に関わる、と行政が隠し通せば手の打ちようがない」

 山本裁判長は事務官を有罪(執行猶予)、西山氏を無罪とした。事務官は控訴しなかったが、西山氏の高裁判決は逆転で有罪(同)に。そのまま最高裁で確定した。

 もし、官僚たちが「違法な密約だ」と証言していれば判決は違ったと、山本さんは考えている。

 その同じ目が、特定秘密保護法案の国会審議を見守った。

 「今でも官僚は裁量で秘密を決め、隠し通している。沖縄密約だって、まだ政府は存在を認めていない。何が起きているかを国民が知り、判断するのが民主主義。なくなったら旧ソ連や中国と同じようになっちゃうよ」

*********

当時、メディアは男女の関係ばかりを報道していた。政府とマスコミが一緒になって、意図的に流していたのだと後で知ることになった。肝心のことは、あの時、何やらよくわからないままだったことを覚えている。

強制捜査権がなく、裁判所にも限界があるのだ。行政の壁は厚い。やりたい放題のことができる。

秘密保護法が成立した今後は、裁判さえも闇の中になる。暗黒社会の到来だ。

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