« たんぽぽ舎 | トップページ | 福島原発 地面から水蒸気 »

2011年8月26日 (金)

「公民」教科書 八重山

「公民」教科書 八重山にふさわしいのか

2011年8月25日
      
 国際協調をないがしろにして、侵略戦争に突き進んだ反省に立ち、日本の戦後教育は進められてきた。
 学習指導要領に基づき、平和で民主的な国家と社会を形成する一員となり、国際社会と協調して生きる素養を培う。そこに「公民」教科書の意義がある。地域の特性を踏まえた授業が加味され、現在と未来のあるべき社会と民の姿を映し出すはずだ。
 教科用図書八重山採択地区協議会が、2012年度から4年間、中学「公民」の教科書として選定したのは「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社だった。

 石垣、竹富、与那国の3市町は台湾などとの交流を通し、国境に近い自治体の特性を生かした幅広い友好関係を育んできた。
 今回選ばれた教科書は、八重山の生徒たちが手にする公民の教科書にふさわしいとは言い難い。

 育鵬社の「新しい みんなの公民」は愛国心を強調し、日本の繁栄が続くことでアジアをけん引するという意識が際立つ。周辺国との共生の観念と懸け離れ、「排外的」な思考に陥りかねない危うさが否めない。
 「戦後の日本の平和は、自衛隊の存在とともにアメリカ軍の抑止力に負うところも大きい」と、安全保障における米軍と自衛隊に対する高い評価も突出している。
 一方で、在沖米軍基地は欄外で「75%が沖縄に集中しています」と短く記しただけだ。県民の過重負担には一切触れていない。
 憲法が定める基本的人権が「公共の福祉」のために制限されることを当然視し、男女平等に関しても「行き過ぎた平等意識はかえって社会を混乱させる」とする。

 与那国島への自衛隊配備が現実味を増す中、多くの識者が指摘するように、平和主義と不戦を誓った憲法9条を改める「改憲志向」の色濃い教科書が選定されたことは重大だ。紛争処理の手段として軍事優先の風潮が高まることはあってはならない。
 憲法の役割は権力の乱用を監視し、基本的人権を擁護することだ。環境権など新たな価値を加えた改憲や創憲を求める声が強まっても9条改正に過半数が反対する国民世論は重い。
 生徒の夢や希望をかき立てる教科書でありたい。採択手続きに入る3市町の教育委員会は、誰のための教科書かという原点に立ち返り、冷静な議論を尽くして選定を見直してもらいたい。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-180862-storytopic-11.html
「琉球新報」
*******

沖縄で、このような教科書が答申に出されるとは驚きだ。すでにあちらこちらで、反対の声明や要望書が出されている。
26日に石垣市と与那国町、29日に竹富町の教育委員会で採択の可否を審議するが竹富町教委は同社の教科書を採択しない方針を表明。石垣市教委、与那国町教委の対応は現時点で明らかになっていない。最終的な協議会決定は、今月末以降に開催される役員会による再協議に持ち込まれる公算だ。

|

« たんぽぽ舎 | トップページ | 福島原発 地面から水蒸気 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/212229/41359362

この記事へのトラックバック一覧です: 「公民」教科書 八重山:

« たんぽぽ舎 | トップページ | 福島原発 地面から水蒸気 »