ガザ 「南ドイツ新聞」論評記事
イスラエルのガザ戦争が、増々残酷になってきていますが、昨日の
わたしの投稿に並行するようなテルアビブからの論評がありましたので、
急ぎ翻訳しました。この論評は社説とは違い、言葉が切り詰めて
書かれていますが、現場からのものですから鋭さがあります。
またドンドン転送、転載お願いします。
よろしく。
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以下は『南ドイツ新聞』に、2009年1月12日(月曜)付けで掲
載された論評記事の翻訳です。テルアビブからドイツ人記者が、イスラ
エルのガザ戦争を真っ向から批判し、さらに背景にある核問題にも踏み
込んだ優れたものと考え翻訳しました。来週のオバマ大統領就任にとも
なう変動を前に重要です。「訳責、梶村太一郎」と明記して転送、転載
して下さって結構です。
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以下翻訳。( )内は訳注。
(原文); http://www.sueddeutsche.de/politik/335/454020/text/
(見出し)イランへの血まみれの警告
(小見出し)イスラエルのガザ地区での戦争は対ハマスだけではなく、
対イラン代理戦争である
トルステン・シュミッツ(テルアビブ)
(本文)
イスラエルは自らの存在が脅かされていると見ている。過去8年間に
ガザ地区から発射された11000発の榴弾は、占領地のヨルダン川西
岸ではなく本国領のユダヤ人居住地に着弾している。
イスラエルを破壊しようとし、イランによって訓練され資金が出されているハマスのロケットテロは、イスラエルの武力抑止能力を弱めるものだ。そこでイスラエルは、世界で最も装備された軍隊をもって、ハマスに叱責を与えているが、同時に自らを袋小路へ向けて爆撃している。
この国は基本的な問題3点への正解を出さないまま戦争へ踏み込ん
だ。戦争を始める者は、まずはそれまでに軍事力投入なしに目的に達する可能性を追究すべきである。加えて、戦争遂行は均衡を保持しなければならない。
そして戦争は目的に到達できるチャンスを孕んでいなければならな
い。これら3点の全てでイスラエルは無力である。イスラエルは、決してハマスと対話しようと試みなかったし、820人のパレスチナ人の死者と13人のイスラエル人の死者が、これを物語っているし、政府は今日まで、具体的な戦争目的をしぼっていない。
イスラム教徒のゲリラに対する戦闘に際し、イスラエルは国際的な停
戦の呼びかけに対して鈍感だ。この国とその政治家たちは内に閉じこもり、ために批判は跳ね返されてしまっている。陸海空軍の容赦のない投入をイスラエルは正当だとみなしている。
彼らの民間人の戦争犠牲者への憐憫の情の欠落には恐るべきものがある。それは、イスラエルが孤立さされていると感じ、自分以外は誰をも信じないことに由来しているのかもしれない。ある将校は、「軍は『非常に暴力的』で、どのような手段にも怯えることはない、兵士の命を守ることはパレスチナ市民よりも重要であるからだ」と認めている。こう
して、イスラエルのハマスに対する戦争は、また民間人住民に対する戦争にもなっている。際限のない苦難は、すでに際限のない憎悪を呼び起こしている。これがもたらす損害は量り難いものだ。
イスラエルはこのことをを自覚しているが、にもかかわらず他の逃げ
道を知らない。国際的な批判に対するこのようなイスラエルの単独行
動、頑固さと感覚麻痺にはさらに別の理由がある;イスラエルはガザ地
区でイランに対する代理戦争を行っているのだ。
ガザ地区のハマスとレバノンのヒスボラの民兵はイランの前哨だ。イ
スラエルのガザ戦争とは、アメリカの援助無しでもイランの核施設を攻
撃するであろうとの、イスラエルのテヘランへの血まみれの警告でもあ
る(訳注)。エルサレムでは、ハマスの件と同様に、イランに関しても孤立しているとの感情が宣言されている。
イスラエルは国際的な国家共同体の試みが失敗をしたと見ている。警告や制裁措置を無視してイランは、核計画を不動に継続している。イスラエルは、そこに存在を脅かす大きな危機があると見る。イランを核兵器保持から切り離す成果をもたらしていない西側世界の試みが、イスラエルをして、その生存をかけて闘かわねばならないと頑強にしている。
バラク・オバマ次期アメリカ大統領が、テヘランと外交的な対話を始
めたいとしていることが、エルサレムでは驚愕をもって受け止められ
た。そこで、政府は大統領政権移行期間の危険な政治的真空期間を利用して、ハマスに対する戦争へと踏み込んだ。これはまた、テヘランに対する宣戦布告としても解釈出来るのである。
世界中で反ユダヤ主義と反イスラエルの潮流の強化を促しているガザ戦争が無意味であることは、ハマステロリストのロケット攻撃が継続しているところに現れている。イスラエルがハマスを壊滅できると信じる
のはナイーブである。彼らの戦闘員はイスラエルの部隊を恐れはしな
い。なぜなら死は殉教として美化されているからだ。
ハマスにとっては、存在するためにイスラエルの戦争が必要だ。イス
ラエルは、これまでハマスに対する闘いで最も重要な武器を投入していない;すなわち、言葉、折衝、外交、境界の開放だ。しかしながら遅か
れ早かれ交渉はなされなければならない。願わくば早期に。
(訳注)イスラエルが昨年、ブッシュ政権に対して、イランの核施設を
破壊する軍事協力を要請したが、拒絶されたとの11日付ニューヨーク
タイムスの報道がある。なおHPにある文中の小見出しは、新聞掲載記事
には無いため訳出していない。
(『南ドイツ新聞』2009年1月12日掲載記事、訳責;梶村太一郎)
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