ガザ ジャーナリスト(後編)
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■ガザでジャーナリストは再び過ちを犯した(後編)
【With GAZA, Journalist Fail Again】
http://tinyurl.com/bgs9y3
(By Chris Hedges 27/Jan./2009 Mediachannel 上記URLは、TINYURLで短縮したもの)
カウンシル・フォーリン・リレーションズのアメリカ/中東プロジェクト局長ヘンリー・ジーグマンは、「イスラエルは封鎖の緩和に同意することに
よって、市民を守る義務を果たせたかもしれない。しかし、そうしようとは
しなかった」と正しく言及した。「イスラエルがロケット弾から自国の市民
を守るため攻撃を開始したと言えるはずがない。そうではなくて、ガザの人々を殺し続ける権利を守るためにこそ攻撃したのだ」
アメリカの報道の中にも、わずかながら誠実な報道があった。ウォール・ストリート・ジャーナルは、1月24日「イスラエルはいかにハマスを拡大するのを助けたか」という論考を載せた。アメリカの報道機関のおかげで、ハマスは暴力だけを解するイスラム・テロリスト集団以外の何ものでもないという見方が了解されていた中では、珍しい記事だった。そして、いったんガザに入ることが許されると、BBC等の報道機関から派遣された何人かのジャーナリストがいい仕事をした。ジミー・カーターは、紛争を防ぐため彼とカーター・センターが行っている努力について、ワシントン・ポストに特別解説記事を書いた。その記事が他のメディアに取り上げられることはなかったが、イスラエルの論拠に対する重要な反駁となった。けれどもこれらは孤立したケースだ。出版社、報道機関の幹部や編集者達は、その守備範囲においてイスラエルの圧力に全く抵抗することなく、紙面や放送時間をイスラエル当局が捏造と歪曲でいっぱいにするがままにした。これによって、イスラエル軍は容易に戦争犯罪を犯し、しかも犯し続けたのだ。
イスラエルが国際法に違反していることに鋭く気がついているエフード・オルメルト首相は、すでに、彼が戦争犯罪で起訴されることがないことを指揮官に改めて保証し始めた。
「ガザの任務に派遣された指揮官と兵士は、作戦中、いかなる法廷に出頭させられることもなく、イスラエルはこの件に関し国家として彼らを支援し、彼らの身柄を保護しているのを知るべきだ」と彼は言った。
アメリカの報道機関が伝える範囲が不十分であるにもかかわらず、イスラエルの残忍な戦術は、国際社会の厳しい監視にさらされた。ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナルらを含む人権団体が、黄燐弾を住宅地域で使うといった、無差別の砲撃と爆撃がもたらした民間人の犠牲の多さを非難した。イスラエルはガザで黄燐弾を使用したことは認めたが、あくまで、煙幕発生と爆撃や砲撃の目標をマークするためであり、民間人に対し直接化学兵器を使ったことはないと主張している。
ハマスは好ましい組織ではない。ハマスは、ガザの多くで生活を悲惨に陥れ、敵と見なした相手に決死隊攻撃を繰り返してきた。それでも、2006年の選挙で権力を握ると、彼らもガザに効果的な文民統制をもたらした。派閥間の闘争、軍事指導者、氏族、誘拐団、そして犯罪組織によって牛耳られていたガザは、マフムード・アッバスが率いる堕落したファタハ手動の政府の混乱の中に転落していた。ハマスは、権力に就くと、イスラエルへの自爆攻撃を停止した。約1年間にわたりロケット攻撃も中止した。ハマスはイスラエルとの合意を守ったのだ。エジプト人の仲介者を通してではあったが、ハマスは、イスラエルと交渉しようとしていた。しかし、パレスチナ人の中にもぐりこもうと工作していたアル・カイーダに指導されたエジプト人仲介者は、ハマスの指導力を敵に協力するものと非難した。
イスラエルとアメリカは、2007年6月、ファタハの反乱を軍備支援し
後押しすることでハマスを転覆させようと、無謀な行動を企て失敗した。彼らは、従順なアッバスが権力を掌握してほしかったのだ。これに対しハマスは、しばしば野蛮な暴力で抵抗し、アッバスとファタハの影響力をガザから西岸にまで押しやった。イスラエルはその時、彼ら自身汚い仕事に手をつけることを決断した。それは上手くはいくまい。イスラエルは、似たり寄ったりのやり口でヤセル・アラファトとファタハを破壊し、信頼を失わせた。
アッバスとファタハにはもう何の権威も信頼も残っていない。多くのパレスチナ人にとって、アッバスはイスラエルの太鼓持ちに見えているだろう。
イスラエルは今度はハマスを破壊しているところだ。アル・カイーダのように、はるかに暴力的で非合理なイスラム過激派グループが、ハマスに取って代わろうとチャンスを狙っている。そして、いつの日かイスラエルは、ハマスをちょうど今のファタハのように懐かしく見つめるだろう。しかし、その時までには、イスラエルは、パレスチナ人の中で育ったアル・カイーダと戦わなければならないだけでなく、エジプト、シリア、レバノン、さらにヨルダンまでも含めた急進的イスラム政権に包囲されているかもしれない。そうなってからでは、遅すぎるのである。
イスラエル政府はその戦争犯罪の責任を負っている。しかし、われわれが、イスラエルが大量殺人を正当化するために使った嘘と誤った物語に真実味を与えれば、イスラエルの身勝手な自滅をもたらすだけではない、われわれもまた、自滅する。イラク戦争を準備するときそうだったように、報道機関は再び気力も、勇気も失っている。報道機関は権力の意思に屈している。
報道機関は、読者、視聴者にいつも真実を語るという神聖な契約を投げ捨てた。何についても多くを語らず、事実をあいまいにした。国際法を踏みにじった人間殺傷用爆弾の鉄の破片に何百人もの女や子どもが引き裂かれているときも、報道機関はこうしてきた。それが失敗したら、大声でこう弁解するのだ。「公正で、バランスのとれた完璧な仕事だった」と。
(仮訳どすのメッキー 29/Jan./2009)
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感謝と尊敬をこめて。
29/Jan./2009
どすのメッキー拝。
ブログ"sometimes a little hope"も見てください。
http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/
↑メールで配信していない情報も掲載しています。
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