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2008年5月 6日 (火)

9条世界会議 報告(初日編)

日本史上初の、憲法9条に関する国際的な会議、『9条世界会議』(正式名称『戦争を廃止するための9条世界会議』)の初日が幕を閉じました。

初日の今日は、北アイルランド紛争解決の功労者や、アメリカのハーグ平和アピール国際会議の提唱者、アフリカの市民社会の代表や、元GHQ憲法起草者、韓国の人権活動家、コスタリカの元法務局長、さらに元米陸軍幹部、イラクの現地人道支援関係者、米軍イラク帰還兵など、多種多様な立場の人々が世界から集まり、9条の世界化や支持を訴える基調講演やスピーチを行いました。

日本側からは、国連の提唱で設立された紛争予防国際ネットワークGPPACの国際運営委員や、『世界がもし100人の村だったら』で知られる著者、元日弁連会長や、イラク支援ボランティア、社会派作家、そして数々のアマチュア・プロフェッショナルアーチストが集まり、同様に九条の必要性、9条を守るために必要な行動、国際社会における九条の影響と価値についてスピーチや国際討論を行いました。(詳細)

午後1時に始まり、夜11時に終わった、1万2,000人を超える世界の人々による約9時間に及ぶセッションは、「9条の世界化」という現象について確かな印象を私の中に残しました。たとえば、冒頭の基調講演を行った元北アイルランドの女性紛争活動家は、9条の精神を反映した行動が必要であると主張し、このように述べました。

「あらゆる紛争の原因をなくすことが必要です。
そのために、まず、私たちの心の中から始めなければならない。」

また、ハーグ平和アピール国際会議を提唱したアメリカの活動家は、近年南米のボリビアで憲法九条の理念の一つである戦争放棄の条文を取り入れた新憲法の制定作業が進んでおり、国民投票が間近であることを報告しました。この活動家はまた、環境、開発、発展、ジェンダー、教育、若者など多様な視点から、それらすべてにおいて憲法9条の掲げる戦争放棄と平和主義の理念が生かされるべきであると主張し、さらにこのような踏み込んだ提案を行いました。

「この会場にいるすべての人々に、ある提案を行いたいと思います。それは、一人一人が『9条親善大使』となって、各国の市民社会や国会議員、地方自治体に向け、日本の憲法九条に似た条文を各国の憲法にも取れ入れるよう要請するということです」

元GHQ憲法起草者であり、女性の権利を定めた憲法24条の生みの親でもあるアメリカの女性は、当時民政局にいた頃にいかに短期間で起草作業に携わりかつ当時の日本の市民社会の支援を受けて、平和憲法が起草されたか、その軌跡を克明に綴ってくれました。そして、日本語でこう断言されました。

「日本の憲法には色々な国の歴史的英知が入っています」

そして、よくいわれる、憲法がアメリカの押し付けであったという主張に対して、こう反論しました。

「自分の国(アメリカ)より良い憲法を押し付けたがりますか?そんなわけないでしょう!」

平和憲法の起草者であり生き証人である彼女のこの言葉に、会場は大いに沸きました。しかし興奮はここでは収まりません。まだまだ、日本憲法9条の保持を支持する言葉が相次いだからです。次は隣国韓国の法律家からの言葉でした。

「9条は平和の保証書のようなものです。日本はこの9条を守るために必要な、その鍵となるものは何かを模索すべき時期に来ています」

コスタリカの元法務局長は、9条の掲げる4つの原則がアジアの平和を守る鍵になったと語り、さらに踏み込んで「九条の世界化」を次のように訴えました。

「憲法9条は、紛争を武力の行使や威嚇によって解決してはならないという原則の基礎となるものであり、国際社会はこの原則に基づいて大いなる合意に達することで新たな協定を生みだすことができる」

アメリカの元陸軍幹部は過去7年、日本が辿ってきた軌跡を振り返り、今の日本の現状が「9条を守れ」という警告に他ならないと断言しました。また、9条がもたらした効果について、次のようにも述べました。

9条があったから、日本はアメリカの戦争に積極的に協力することなく、またこれからも協力する必要がない。このような形で、9条はアメリカの軍国主義の歯止めになっているとすらいえるかもしれない」

このように、世界の多種多様な立場の人々が、9条の持つ価値を理解し、尊重し、そしてそれを高め、広める必要性について力強いメッセージを日本の聴衆に向けて発信したのです。これは、「9条の世界化」という現実をまざまざと私に見せつけました。

まさに、この世界会議のキャッチコピーどおり、

「世界が9条を選び始めた」ことを印象づけることに成功した一日目だったといえるでしょう。

明日は、国内外の専門家による6つのシンポジウムと3つのフォーラムからなる分科会です。
明日の会議の後に、私は何を確信するでしょうか。深夜2時を回った今も、興奮冷めやらない面持ちでいます。

「国際刑事裁判所(ICC)と日本」より転載

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