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2008年5月 6日 (火)

日米安保体制 天木直人

米国に翻弄され続ける国際政治(その3)-日米安保体制はもはや日本を守るためにあるのではない

  私は在日米軍基地を縮小・撤廃すべきであると誰よりも強く主張する一人である。

  しかし、それは単に私が平和主義者であるからだけではない。もちろん私が左翼イデオロギストであるからでもない。

  国際政治の現実を直視した上で、日本が馬鹿を見ることに耐えられないのだ。それだけである。

  4月26日の産経新聞の社説の中に、思いやり予算が民主党の反対で参院で否決されたことを嘆く意見が述べられていた。

 そこには、次のような表現があった。

 ・・・米国の日本に対する信頼が損なわれた事を重く受け止めるべきである・・・民主党の反対も、政権を目指す政党なのかどうかをめぐる疑問符を生じさせた。
  日米安保体制の根幹である(思いやり予算に関する)新協定への反対は、日米同盟を否定したともいえる・・・日本の防衛に生命を賭する米側への配慮は欠かせない。窮地に立つ同盟国を思いやる心が同盟の絆を強めていく・・・

 無知でお人よしの人間なら、この社説を読んで、なるほどそんなもんか、と思うかもしれない。しかし少しでも国際政治の現実を分かっている者であれば、この意見が如何に間違っているか、すぐに分かる。

 かつて読売新聞の社主は米CIAの支援を受けて日本国民を情報操作する片棒を担いだ。まさか今日の産経新聞が同じだとは思わない。思いたくはない。

 しかし、この社説を真顔で書いているとしたら驚きだ。もし作為的に書かれたものであれば、かつての読売と同じだ。残念であるとしか言いようがない。

 冷戦後の日米安保体制が、もはや60年代の安保体制でないことは、少しでも国際政治を知っている者なら、分かるはずだ。

 そして今日の米国の「テロとの戦い」が、米国による、米国のための、米国の戦争である事も自明である。

 従ってまた、今日の在日米軍は、もはや日本を守るためにあるのではなく、米国の「テロとの戦い」に使われるためにある事も、いまや明白である。

 それよりもなによりも、そもそも米国は日本を守るために日本に駐留しているのではない。この事は米国自身が認めている。

 もちろん決して表向きには、米国はそのような馬鹿な事は言わない。しかし少しでも米国政府関係者とつき合った事のある者であれば、皆一度は必ずそのような米国の本音に出くわす。

  知ってか知らずか、その米国の本音に一言も触れることなく、「日本の防衛に生命を賭する米国に協力するのは当たり前」だと社説で書く産経新聞とは、いったい何者なのか。

 「窮地に立つ米国を思いやるべきだ」とする産経新聞は、日本国民の生活を困窮させてまで米国に財政的支援を貢ぎ続けて来た日本が、目に入らないのか。

  経済支援を受けたいのは、日本のほうだ。国民生活を犠牲にしてまで米国に貢ぎ続けさせられている日本国民なのである。

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