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2008年5月21日 (水)

大きすぎる小さな記事 天木直人

誰も気づかずに見すごされてしまうには大きすぎる小さな記事

 貴重な情報は、何も高度の機密情報だけから得られるものではない。誰もが目にする小さな公開情報の中にも、気づかずに見過ごされてしまうには大き過ぎる情報がある。

 週刊実話の5月29日号に、先般来日した中国の胡錦涛主席が創価学会の池田大作名誉会長を持ち上げて、彼は立派な政治家だ、などと繰り返し発言した、これに、あわてた創価学会関係者は、外務省と一緒になって、この発言が広まらないように奔走した、という趣旨の記事があった。
 胡錦涛主席のこの言葉は大手新聞やテレビでは一切報道されていない。
 いうまでもなく、政教分離は憲法20条で原則禁止されている。創価学会は日蓮正宗系の宗教団体だ。その一方で創価学会は連立政権党である公明党の支持母体である事は周知の事実だ。だから、これは政教分離の原則にもとることにならないか、という問題は、これまで折に触れて取りざたされてきた。そんな中で、中国の元首が、創価学会の名誉会長は政治家だと言ったという。これが事実ならば、やはり外部の人間が客観的にそのように受け止めているのか、と言うことになる。政教分離問題が再び問題視されかねない。
 週刊実話の記事は、見過ごされてしまうには大きすぎる小さな記事だ。

 18日の朝日新聞に「議定書の裏に密約」という記事があった。
 すなわち、温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書を日本が批准する02年に、経済産業省と経団連(現・日本経団連)との間で、「日本政府としては京都議定書は批准するが、国内排出量取引制度をはじめとする強制的措置は産業界に課さない」という確認があったという。
 この確認は外部に公にはされず、文書にも残されていない。
 しかしその密約が、来る環境サミットで指導力を発揮しようとする福田首相の足かせとなっているという。
 密約とは、外務省が米国との間で取り交わしているものと相場が決まっていた。しかし、その実は、政府の至るところで行われているということだ。
 この朝日新聞の記事は、見過ごされてしまうには大きすぎる小さな記事だ。
 
 20日の朝日新聞に、防衛省が、暴行した米兵が被害者に支払うべき賠償金を、日本の予算で肩代わりしていた、という記事があった。
 その記事によれば、02年に横須賀市で起きた米海軍兵によるオーストラリア人女性暴行事件に関し、民事訴訟の結果、裁判所は米兵に賠償金を支払うよう命じたが、米兵はすでに帰国。米政府側も支払いを拒んだため、日本政府が見舞金としてそのオーストラリア人の女性に、300万円支払ったというのだ。
 こんな馬鹿げた事が国民に知らされることなく勝手に行われていたのだ。何に基づいてこのような肩代わりが許されるのか。国民の税金が使われる話だ。政府の裁量権の濫用ではないのか。
 この朝日新聞の記事は、見過ごされてしまうには大きすぎる小さな記事だ。

 20日の読売新聞で、自民党の与謝野馨前官房長官が19日に都内で講演した記事があった。その講演の中で与謝野氏は、自分が前原誠司民主党副代表と某出版社の対談で話した際、前原氏が次のように自分の前で小沢民主党代表を批判したと、ばらした。
 「(民主党の国会運営は)間違っている。国民のために一つずつ物事を決めないといけない。小沢代表が悪い。政策に興味が無く、政局にしか興味が無い」
 こんな事をばらされた以上、前原氏はその真偽を自ら明らかにしなければならないであろう。
 副代表である前原氏が代表の小沢氏をここまで批判したのなら、もはや民主党にとどまるべきではないのではないか。
 この読売新聞の記事は、見過ごされてしまうには大きすぎる小さな記事だ。
 
 

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