残留孤児 Sさんその8
避難所に初めに帰ったときに、少し残っていた荷物と死んだ家族の爪と髪を持ってきたのです。祖父を親戚の家に置いてきた時、祖母が祖父の爪と髪を切って持っていたのです。2人の妹と父と祖母が亡くなった時も、母が皆の爪と髪を切り取っていたので、母が亡くなった時、私が母の爪と髪を取って全部それぞれ人の名前を書いてありました。
私は、いつか日本に帰れるようになったら、持って帰らなければならないと思って、ハンカチに包み大事に持っておりました。赤い小さな布をお母さんに貰って、袋を縫うてその爪と髪を包んだハンカチを袋に入れて大事にしていました。淑芹さんが、あの袋に何が入っているか見せてと言ったけど、私は見せなかったです。
私が一番大事にしていた家族の爪と髪を包んだハンカチと赤い布が、何時の間にやらなくなっていました。私が外へ出ていったときに、捨てたと思います。お母さんに、赤い袋を見なかったかと聞いたら、あれは死んだ人の物だろう、あんな物を家の中に置く人はいないから淑芹が何処かへ持って行って埋めたと言いました。場所を聞いたけど、教えてくれませんでした。
中国と日本は習慣が違います。中国人は、外で死んだ人は絶対に家の中へは入らせません。病院で死んだ人は家に帰りません。病院から火葬場へ行きます。日本人は、何処で死んでも家に連れて帰り通夜をしてから2日ぐらいおいて火葬場に行くでしょう。大地の子を見たと思います。もう死にそうになったら、オンドルの上から地面におろして、オンドルの上で死んだらいけないのです。自分の家で死んだ人は地面におろすのです。中国と日本は習慣が全然違います。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/212229/7875768
この記事へのトラックバック一覧です: 残留孤児 Sさんその8:
コメント