◆日本共産党
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/07saninseisaku/01-seisaku.html#_05_0
日本を海外で戦争する国につくりかえる憲法改悪に反対します
安倍首相は「憲法改正を必ず政治日程にのせていく」とのべ、2010年には国会で改
憲の発議をめざすと公約しています。自民党などがおしすすめる改憲は、日本が世界
に誇る憲法9条を変えることに照準を合わせたものです。自民党が2005年に発表した
「新憲法草案」では、9条2項を撤廃して「自衛軍を保持する」と明記するととも
に、「自衛軍」は「国際社会の平和と安全を確保するため」に活動できるとしていま
す。
アメリカにつきしたがってイラク戦争のような武力行使に参加することは許しませ
ん……
政府・自民党などがしゃにむに改憲につきすすむ背景には、アメリカからの強い要
求があります。一国覇権主義にもとづく先制攻撃戦略に固執するアメリカは、日本を
足場に湾岸戦争やアフガニスタン攻撃、イラクへの侵略戦争をおしすすめてきまし
た。アメリカは、こうした武力攻撃の際に、日本から出撃するだけでなく、自衛隊を
それにひきずりこみ、戦場でともに武力行使するよう迫りつづけてきました。米政府
の関係者は、“武力行使ができないなら、憲法そのものを変えてしまえ”と平然と主
張してきました。米国との「血の同盟」を主張する安倍首相は、改憲の目的について
“アメリカと肩を並べて武力を行使するところにある”とはっきりのべています。
こうした改憲が強行されれば、国連憲章や国際法を踏みにじって開始されたイラク
戦争のようなアメリカの先制攻撃戦争に、日本の軍隊が武力行使をもって参戦する道
が開かれます。それは、主要国のなかで唯一、軍隊によってただの1人も他国の人び
とを殺し、殺されることのなかった日本の戦後史を根底からくつがえすことになりま
す。
重大なのは、安倍内閣が、明文改憲の前にも憲法解釈の変更によって武力の行使に
道を開こうとしていることです。安倍内閣はこの5月、集団的自衛権をめぐる政府の
憲法解釈を変えることを目的に「有識者懇談会」を設置しました。集団的自衛権の行
使とは、「日本防衛」とはまったく無関係に、他国のために武力を行使するというも
のです。これは、「憲法9条に照らして許されない」と、政府がくり返し言明してき
たことでした。
この背景にも、集団的自衛権についての憲法の解釈を変えることを求めてきたアメ
リカの要求があります。安倍内閣はアメリカにつきしたがって、明文改憲と解釈改憲
の両面から現行憲法の平和主義を葬り去り、あわよくば明文改憲の前にも武力行使で
きる道に足を踏み出そうとしているのです。
改憲勢力の中心は侵略戦争美化の「靖国」派です……さらに重大なのは、憲法改定
派の中心に、日本の過去の侵略戦争と植民地支配を「正しかった」とする勢力が座っ
ていることです。安倍首相みずから、「日本の戦争は正義の戦争だった」などとする
歴史観をもち、その立場から活動してきました。このような立場と主張は、靖国神社
の軍事博物館「遊就館」に代表される、きわめて特異な歴史観=“靖国史観”に沿っ
たものです。こうした「靖国」派の議員連盟──「日本会議国会議員懇談会」、「日
本の前途と歴史教育を考える議員の会」、「神道政治連盟国会議員懇談会」など──
に加わる閣僚は、安倍内閣の18人中15人にものぼります。つい最近も、「強制連行は
なかった」とする「従軍慰安婦」問題での安倍首相の発言が、アジアのみならず欧米
諸国からも大変な批判を浴びました。
日本の植民地支配と侵略戦争をまともに反省できない勢力が、ふたたび海外で武力
を行使できる憲法を手に入れる──日本の国民はもちろん、アジア諸国にとってこれ
ほど恐ろしいことはありません。
「靖国」派のような勢力が改憲勢力の中心に座り、米軍とともに海外での軍事行動
に乗りだすことをねらっていることには、アジア諸国はもちろん、米国の知識人や知
日派といわれる人たちのなかからも、深刻な懸念と不安の声が上げられています。今
年2月、アーミテージ元国務副長官らとともに報告書『米日同盟―2020年に向けアジ
アを正しく方向づける』をまとめたジョセフ・ナイ元国防次官補は、「靖国問題と
は、日本がアジア諸国、特に中国および韓国と和解するために、歴史に折り合いをつ
けなければならないという、より大きな懸案事項の象徴」だ、「日本は靖国問題に
よって、自らを傷つけている」(『週刊東洋経済』5月26日号)とのべています。安
倍首相が頼りにしてきた、日米同盟強化を主張する人びとのあいだからもこういう指
摘があがっていることは、「靖国」派が大きな矛盾に直面していることを示していま
す。
「靖国」派は人権や民主主義の抑圧をねらっています……改憲を主導する「靖国」
派のねらいは、憲法9条を変えて日本を「アメリカと肩を並べて海外で戦争をする
国」につくりかえるとともに、日本の国家体制そのものを戦前・戦中の国家体制に逆
戻りさせ、戦後つちかわれてきた基本的人権や民主主義を否定することにあります。
そのことは、安倍内閣の政治的組織的よりどころであり、「靖国」派の総本山である
「日本会議」の改憲案に明確に示されています。そこでは、「防衛軍の保持」ととも
に、天皇の元首化と天皇中心の国柄(国体)、「国家非常事態条項」、「国民の『国
防の責務』」を盛り込み、「国または公共の安全」を理由とした「人権の制約原理」
を明確化するとしています。これらの新憲法を制定することは、「大日本帝国憲法お
よび日本国憲法の歴史的意義」をふまえる意義をもつとも強調しています。
この間、日本共産党は、自衛隊の情報保全隊が、平和・民主主義・生活向上を求め
る国民の世論や動向、個人の言動を日常的・系統的に調査・監視していることを明ら
かにしました。戦前の「憲兵政治」をほうふつとさせるこうした活動は、重大なプラ
イバシーの侵害であり、集会・結社の自由や表現の自由、思想・良心の自由を侵害す
る許しがたい憲法違反の行為です。
──日本共産党は、「世界の宝」ともいうべき憲法9条を守るため、思想信条、党派
の違いを超えた共同を発展させるために奮闘します。
──「集団的自衛権は憲法上行使できない」としてきたこれまでの政府の憲法解釈を
変える動きに反対します。
──自公政権による侵略戦争美化を許さず、首相の靖国神社への参拝や真榊奉納など
は、今後、きっぱり中止することを要求します。
──政府・与党が、「従軍慰安婦」問題でおわびを表明した河野官房長官談話(93
年)や、日本の植民地支配と侵略への反省を明らかにした終戦50周年の村山首相談話
(95年)を厳格にひきつぎ、その立場で行動することを求めます。
──防衛省・自衛隊による憲法違反の情報収集や国民監視活動の全容を明らかにし、
ただちに中止することを求めます。
──日本共産党は、基本的人権や民主主義、男女平等など現行憲法のすべての条項を
守るため、全力をあげてたたかいぬきます。
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